本文へ
JAPANESE HIP-HOP
MUSIC / CULTURE / PEOPLE
⌕
アーティスト名鑑

仏師(BUSHI)|香川で23年。5枚のアルバムを積み上げた一色RECORDのラッパー

読み方ぶし

17歳で丸亀の小さなクラブに立ち、23年経った今も香川に拠点を置いたまま、5枚のアルバムを積み上げている。仏師(BUSHI)は一色RECORD所属のラッパーで、5thアルバム『TOKI』では客演を排し、全曲を単独で背負った。上京せず、地元を離れず、それでいてリリパは金沢・久留米・小樽まで組まれる。この人の凄さは爆発力ではなく持続にある。「地元に残る」という選択を20年以上やり切っていること自体が、地方のラッパーにとっての到達点の一つだと私は思う。

基本データ

名義 仏師(BUSHI)
読み ブシ(ORICON表記による)
生年月日 1985年7月21日(公式プロフィールで公表)
出身・拠点 香川県
所属 一色RECORD

来歴

2003年、17歳でラッパー「仏師」として活動を開始。初めてライブをしたのは、丸亀市通町にあったクラブ「Club Axis」だった。2013年1月16日、一色RECORDから1stアルバム『明暗』を発売。遊戯(韻踏合組合)や鬼らを客演に迎えたこの一枚から、彼のディスコグラフィの時計が動き出す。2014年に『風』、2017年に『漆黒の花』。タイトルの「漆黒」は「四国」との掛け言葉で、地元への意識が作品名そのものに刻まれている。

2020年にはRYKEYを2曲に迎えた『有望と絶望の果てに』を発表。RYKEYとは長年の相互客演の関係で、仏師はRYKEYの作品群にも繰り返し参加してきた。2024年、4年ぶりの5thアルバム『TOKI』を発売。客演なし、全曲単独で挑んだ本作はタワーレコードのMikikiでも「21年にわたるキャリアの集大成」として評された。2025年にはリリースパーティーを全国各地で開催し、2026年もシングルを出し続けている。なおバトルの記録は戦極MCBATTLEへの1試合のみで、彼は一貫して音源とライブで勝負してきたアーティストである。

年表

2003年 17歳で活動開始。初ライブは丸亀・Club Axis
2013年 1stアルバム『明暗』
2014年 2ndアルバム『風』
2017年 3rdアルバム『漆黒の花』
2020年 『有望と絶望の果てに』
2024年 5thアルバム『TOKI』(客演なし)
2025年 『TOKI』リリースパーティーを全国各地で開催

音楽性

レーベルの紹介文は彼の声を「しゃがれ声と独特の訛り」と呼び、ブルースシンガーにも喩えている。声質と訛り、つまり四国らしさそのものが持ち味として評価されるタイプだ。『TOKI』の冒頭「罪音」は、流麗なストリングスの上でそれに負けない力のラップを聴かせ、21年のキャリアの重みが説得力に直結している。テクニックの派手さではなく、声の渋さと人生の滲み方に共感が集まる。歌われる題材も、丸亀の街、故郷、歩んできた時間と、常に自分の足元にある。仏師という名義と四国への掛け言葉に象徴される、地元と己を重ねる作家性が彼の核である。

ディスコグラフィ

※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。

発売日 タイトル 形態
2013-01-16 明暗 1stアルバム(14曲)
2014-11-19 風 2ndアルバム(13曲)
2017-12-20 漆黒の花 3rdアルバム(14曲)
2018-12-21 走りっぱなし シングル
2019-01-15 一撃 シングル
2019-08-29 流行 シングル
2019-10-28 当事者 feat. MuKuRo シングル
2020-04-22 自由 feat. RYKEY シングル
2020-05-11 有望と絶望の果てに アルバム(10曲)
2020-07-21 丹頂 シングル
2023-03-27 罪音 シングル(Apple上では「Zion」と英字表示)
2023-05-04 蛇の道はheavy シングル
2024-02-16 硝子の声 シングル
2024-04-24 赤い糸 シングル
2024-08-31 TOKI 5thアルバム(10曲)※CDは2024-08-21発売
2025-06-08 TSUBAME シングル
2026-04-09 君の夢は僕の夢で僕の夢は君の夢 シングル
2026-05-24 表裏一体 シングル
2026-07-08 MANIAの休日 シングル

客演では、Hi-Jet『LIFE THE DIG』収録「ライフトラベル」、RYKEY『Mzee』収録「GHQ」や「JUSTICE (feat. 仏師)」、鬼「夜町アンサンブル (feat. 仏師)」、RYKEYDADDYDIRTY『Classic License』への2曲参加などがある。なお舞士のアルバム『ジパング』収録の「命-ミコト」も仏師の客演曲だが、アルバム自体は舞士の作品である。

代表曲

  • 「気になるばかり feat. 西村 早紀」— 『漆黒の花』収録で、公式MVのある一曲。彼の渋い声と歌ものの相性の良さが分かる。
  • 「丹頂」— 2020年のシングルで、公式MVが公開されている。故郷の景色と重なるような、静かな力のある曲。
  • 「たいよう」— 『有望と絶望の果てに』収録。プロデュースはPENTAXX.B.Fで、彼の後期の音作りの核にあるコンビネーション。
  • 「罪音」— 『TOKI』の冒頭曲。流麗なストリングスに負けないガッツあるラップで、客演なしの5thアルバムの宣言として置かれた一曲だと感じる。
  • 「自由 feat. RYKEY」— 長年の相互客演関係にあるRYKEYとの共演。香川に根を張る仏師と全国区のRYKEYという対比も含めて、この人の人脈の厚さを示す曲。

出典・確認日

TuneCore Japan(本人アーティストページ)、一色RECORD公式ショップ、Mikiki(タワーレコード)、ORICON、Apple Music、公式YouTubeチャンネル。2026年11月8日確認。

もう少し読む