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アーティスト名鑑

BUPPON(ブッポン)|山口のリリシスト。UMB広島予選2度の優勝、『enDroll』と『Mother』

読み方ぶっぽん

UMB広島予選を2度制しながら、2012年の本戦でRITTOと延長に次ぐ延長の名勝負を演じたあと、「その試合でMCバトルはもういいかな」とバトルを離れた。以後のBUPPONは、言葉の中身で勝負する「作品の人」として山口に根を張り続けてきたMCだ。KOJOEが全曲プロデュース体制で迎えた『enDroll』、亡き母に捧げた『Mother』、そして2026年11月、1stアルバムと同名の『蓄積タイムラグ』を掲げた初のワンマンライブ。罵倒ではなく筆力で人を残すタイプのリリシストとして、彼のキャリアは今も更新され続けている。

基本データ

名義 BUPPON
読み ブッポン
出身・拠点 山口県
レーベル THE AXIS RECORDS(主宰)/J.Studio

※生年・本名は公式プロフィールで公表されていないため、本記事では記載しない。

来歴

初音源は500枚限定で完売した12inchシングル『SYNCHRONICITY』(発売年は出典により2008年/2009年の表記がある)。2008年、UMB広島予選にAXIS FAMILY名義で初出場し優勝。2011年、自身のレーベルTHE AXIS RECORDSから1stアルバム『蓄積タイムラグ』をリリースした。2012年にはTHE AXIS RECORDS名義で再びUMB広島予選を制し、本戦で沖縄代表のRITTOと対戦。罵倒し合うのではなく信念をぶつけ合う内容で延長を繰り返した末に敗れたが、本人はこの試合を「自分を出し切れた」と振り返り、事実上これを最後にバトルから離れた。

2013年にEP『明後日』、2017年に2ndアルバム『LIFE』を発表し、自身初の全国ツアーを成功させた。『LIFE』収録の「烏」で初共演したKOJOEとは、もともとRITTOが縁をつないだ関係だったという。2019年の3rdアルバム『enDroll』ではKOJOEがエグゼクティヴ・プロデュース/ディレクションを担い、全曲をillmoreがプロデュースした。2022年にはKOJOE、シンガーZINとのジョイント作『Scent』、2023年には他界した母に捧げる4thアルバム『Mother』をJ.Studioからリリース。2026年10月7日にシングル「BOUNCE BACK (feat. KOJOE)」を発表し、11月6日には渋谷clubasiaで初のワンマンライブ『蓄積タイムラグ』を開催した。朝日新聞の読書連載に取り上げられる読書家でもあり、「当たり前を疑う」ことが創作の核だと語っている。

年表

2008年 UMB広島予選優勝(初出場)/12inch『SYNCHRONICITY』前後の活動期
2011年 1stアルバム『蓄積タイムラグ』
2012年 UMB広島予選優勝(2回目)/本戦でRITTOと名勝負
2017年 2ndアルバム『LIFE』/初の全国ツアー
2019年 3rdアルバム『enDroll』(KOJOE×illmore)
2023年 4thアルバム『Mother』
2026年 シングル「BOUNCE BACK」/初のワンマンライブ

バトル戦績

大会 成績 備考
UMB 広島予選(2008) 優勝 AXIS FAMILY名義、初出場での優勝
UMB 広島予選(2012) 優勝 THE AXIS RECORDS名義。4年ぶり2回目
UMB 本戦(2012) RITTOに敗退 延長を繰り返した名勝負。本人が事実上のバトル引退戦と語る一戦

※2008年本戦の成績・対戦相手と、2012年本戦のRITTO戦が何回戦だったかは、記録で確認できていない。また、レーベルメイトのHI-JETはUMB 2015広島予選の優勝者で、THE AXIS RECORDS周辺のバトルの系譜は彼に引き継がれている。

音楽性

紹介文で繰り返し使われるのは「リリシスト」「高純度ラッパー」という言葉だ。無骨さと繊細さを兼ね備えたワードセンスが持ち味で、バトル出身者でありながら罵倒よりも言葉の中身で勝負するタイプとして受け止められてきた。後期の作品では主題が生活の側へ寄っていく。『Mother』の母への心情、「BOUNCE BACK」の子育てや敗北からの再起。成功物語ではなく、経験を抱えたまま進む曲として読めるのが、年齢を重ねたBUPPONの強さだと思う。tha BOSS、illmore、MuKuRoら実力派からの客演需要が途切れないことも、シーン内での信頼の厚さを示している。

ディスコグラフィ

※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。

発売日 タイトル 形態
2011-01-14 蓄積タイムラグ 1stアルバム(15曲)
2013-04-17 明後日 EP(6曲)
2017-06-14 LIFE 2ndアルバム(10曲)
2019-02-01 Water Bars シングル
2019-03-06 enDroll 3rdアルバム(12曲)
2021-04-06 enDroll: 12inch CLUB Package リミックスEP(9曲)
2021-04-13 I'll アルバム(10曲)
2022-04-06 Scent(BUPPON, ZIN & Kojoe) ジョイントアルバム(9曲)
2022-08-25 Komorebi(illrain, BUPPON & MuKuRo) 共演シングル
2023-10-17 Master Piece (feat. ILL-BOSSTINO) 先行シングル
2023-10-31 Mother 4thアルバム(10曲)
2025-01-29 Comfort(BUPPON & carefreeman feat. MARTER) 共演シングル
2025-11-12 Third Party (feat. B-COSMO) シングル
2026-02-10 Jsy(BUPPON & 1Co.INR) 共演シングル
2026-04-24 Hadoken(RITTO, BUPPON & CROWD) 共演シングル
2026-08-04 Scent (Instrumentals) インストアルバム(9曲)
2026-10-07 BOUNCE BACK (feat. KOJOE) シングル

このほか客演も多く、tha BOSS『IN THE NAME OF HIPHOP』収録「HELL'S BELLS feat. BUPPON, YUKSTA-ILL」、MuKuRo「God Bless (feat. Buppon & Kojoe)」、KOWREE「BE feat. BUPPON」(2026年)など、実力派同士の共演がキャリアを通して続いている。なお『I'll』は、TuneCore公式プロフィールでは2019年のEPと位置づけられている一方、配信では2021年に10曲入りのアルバムとして届けられており、両者の関係は公式に説明されていない。

代表曲

  • 「蓄積タイムラグ」— 1stアルバムの表題曲。2026年の初ワンマンにこのタイトルを掲げたこと自体、BUPPONのキャリアの軸がここにあると示している。
  • 「Water Bars」— 『enDroll』からの先行曲で、illmoreのビートに言葉を刻む彼の筆力が凝縮された一曲。MVは現在公開が確認できないため、ここでは音源で届ける。
  • 「独唱」— 『enDroll』収録。タイトル通り、一人で言葉と向き合う曲。バトルを離れたMCの現在地がよく表れている。
  • 「Master Piece feat. ILL-BOSSTINO」— 『Mother』からの先行曲。tha BOSSとの共演で、マイク稼業の矜持を歌う円熟期の代表曲。
  • 「Mother」— 4thアルバムの表題曲。亡き母に捧げた作品の中心で、生活者としてのBUPPONの言葉が最も静かに届く。
  • 「BOUNCE BACK (feat. KOJOE)」— 2026年の最新シングル。子育てと家庭、敗北からの再起を歌い、盟友KOJOEとのタッグはここでも続いている。
  • 「BE feat. BUPPON」— 島根のKOWREEの2026年のMVへの客演。地方の実力派同士の接続として象徴的な一曲。

出典・確認日

TuneCore Japan(本人アーティストページ)、P-VINE公式アーティストページ、ORICON、朝日新聞「好書好日」本人インタビュー、Apple Music、公式YouTubeチャンネル。2026年11月8日確認。

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