神戸・長田の街に、四半世紀近くラップを刻み続けてきた男がいる。DOBINSKI(ドビンスキー)。自身のレーベルASIA UNIVERSE ENT.を主宰し、2001年にFILE RECORDSからCD『必然ワード』を出した。代表曲「阪神大震災」は、1995年1月17日の阪神・淡路大震災の記録と記憶を歌った曲で、彼自身が「代表曲」と位置づけている。大きなメディアに取り上げられることはほとんどない。だが神戸のイベント映像の記録は2010年代から途切れることなく彼の姿を残し続けている。記録者とは、こういう人のことを言うのだと思う。
基本データ
| 名義 | DOBINSKI(別名義:ILLJUSTICE、ILLCHAOS) |
|---|---|
| 読みがな | ドビンスキー |
| 拠点 | 兵庫県神戸市(長田を中心に活動) |
| 所属 | ASIA UNIVERSE ENT.(自営レーベル、主宰) |
| 活動形態 | ラッパー |
| 本名・生年月日・出身地 | 公式には公表されていない(本記事では記載しない) |
| 公式YouTube | DBN TV |
来歴
本人の公式チャンネルの発信によれば、「阪神大震災」のMV(2019年公開)の説明には「ラップ歴24年」、「Blue Memories」の説明には「ラップ歴25年」とある。逆算すれば活動開始は1995年頃ということになるが、これは本人発信ベースの数字として受け取っておきたい。2000年にはB-BOY PARK 2000への出演映像が残っており、少なくともその頃には第一線の現場にいたことが映像で確かめられる。
2001年5月17日、FILE RECORDSからCD『必然ワード』(品番ABS-005)をリリース。現行で確認できる最古の商業リリースだ。2005年には「阪神大震災」の音源を制作。震災から10年、自分が生きる街の記憶をラップに刻むという選択が、この人のその後の全てを決めたように思う。
2018年9月21日、2005〜2018年の楽曲をまとめた『PUBLIC ONE'Z -2005〜2018-』をCD(品番AUEBM-003)と配信で発売。13年分の蓄積を一枚に束ねた回顧作だ。2023年12月23日には配信アルバム『2Wreckognize』をリリース。2010年・2013年の既発曲や既発シングルを含む構成で、2025年2月には別名義「DOBINSKI as ILLJUSTICE」でシングル「ドビン語録3」を出すなど、活動は現在も続いている。
年表
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2000年 | B-BOY PARK 2000に出演(映像記録あり) |
| 2001年5月17日 | CD『必然ワード』をFILE RECORDSからリリース(ABS-005) |
| 2005年 | 代表曲「阪神大震災」の音源を制作 |
| 2018年9月21日 | 『PUBLIC ONE'Z -2005〜2018-』をリリース(AUEBM-003) |
| 2023年12月23日 | 配信アルバム『2Wreckognize』をリリース |
| 2025年2月22日 | DOBINSKI as ILLJUSTICE名義で「ドビン語録3」を配信 |
音楽性
題材の選び方に、この人の全てが出ている。震災の記録、反戦を歌う「Report Of Against The WAR」、コロナ禍への持論をぶつけた「NEWS ~COVID-19~」、「必ず愛が地球を救う。」と題した曲。エンタメ性より「伝えること」を優先する、説教的と言ってもいいくらいの正面さだ。音の面ではブーンバップ/オールドスクールへの志向が強く、「Blue Memories」は本人も「BOOMBAP」とタグ付けするヒップホップへの愛着そのものを歌った曲である。再生回数は決して大きくない。それでも代表曲2本のMVには、たどり着いた聴き手からの肯定的な反応が静かに積み上がっている。長く続けること自体が地元での信頼になる。そういうキャリアの形が、ここにある。
ディスコグラフィ
※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。
| 発売日 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 2001-05-17 | 『必然ワード』 | CD(FILE RECORDS、ABS-005)。配信登録は未確認 |
| 2018-09-21 | Public One'z | CD版は『PUBLIC ONE'Z -2005〜2018-』(AUEBM-003)。配信版と一部トラック表記が異なる |
| 2023-12-23 | 2Wreckognize | 配信アルバム。既発曲を含む回顧的な構成 |
主なシングル:Blue Memories Hip Hop to Be Alive(DOBINSKI & AMZN、2019年)、Hint de Pint (feat. Hidaddy & Original Kose)(2021年)、News ~Covid-19~(2021年)、Between the Twinz(DOBINSKI & 刃頭、2022年)、MECCA ~groove makers~(2020年)、Appreciate For …(DOBINSKI & CHRISTIAN CIARI、2017年)、Wordz of Dbn3 (Original)(DOBINSKI as ILLJUSTICE、2025年)。客演ではINSTAROUMENTALのInvitation to Kyoto (feat. Dobinski)(2022年)など3作に参加している。
代表曲
- 「阪神大震災」——2005年制作、2019年に映像化。震災を生き延びた街の人間が、その記憶を歌い継ぐということの重さがここにある。
- 「Blue Memories ~HipHop to be Alive~」——AMZNとの共作。ブーンバップへの愛着を歌った、彼の人柄が一番伝わる曲だと思う。
- 「Hint de Pint」——HIDADDY(韻踏合組合)とOriginal KOSEを迎えた共演曲。
- 「2Wrecognize」——最新アルバムの表題曲。公式MVがないためApple Musicのプレーヤーで。
関連リンク
- 韻踏合組合(「Hint de Pint」にHIDADDYが参加)
出典・確認日
- BRUSH MUSIC公式アーティストページ(DOBINSKI)
- 公式YouTubeチャンネル「DBN TV」(動画タイトル・説明)
- ORICON(アーティスト/商品情報)
- Apple Music / iTunes(作品登録情報)
- 確認日:2026年11月8日
