ラッパ我リヤは、Mr.Q、山田マン、DJ TOSHIによる2MC+1DJのヒップホップグループ。1993年の結成以来、重厚なトラックと徹底して韻を踏む硬派なスタイルで、日本語ラップの黎明期からシーンを支えてきた。グループ名を冠した自己表明曲「ヤバスギルスキル」は、パートを重ねて約30年続く象徴的なシリーズとなり、2000年のメジャーデビュー曲「Do the GARIYA thing」は日本語ラップのクラシックとして今なお語り継がれる。活動休止期を経て2015年に再始動し、2025年には10枚目のアルバム『不屈の男達の物語 ~The Story Of Indomitable Men~』を発表。2026年には「Do the GARIYA thing」をセルフリメイクするなど、結成30年を超えた現在も第一線で活動を続けている。
基本データ
| アーティスト名 | ラッパ我リヤ(らっぱがりや)。旧表記「ラッパガリヤ」。通称「我リヤ」、略称「RG」 |
|---|---|
| メンバー | Mr.Q(MC/トラックメイカー)/山田マン(MC/トラックメイカー)/DJ TOSHI(DJ/トラックメイカー) |
| 結成 | 1993年 |
| 活動期間 | 1993年 – 現在(2009年以降は事実上の活動休止期間があり、2015年に活動を再開) |
| ジャンル | ヒップホップ |
| 所属・レーベル | MSエンタテインメント(2017年 – )、ウルトラ・ヴァイヴ(2025年作)。過去:P-VINE、走馬党 Entertainment、ビクターエンタテインメント、日本コロムビア、徳間ジャパンコミュニケーションズ ほか |
メンバー
Mr.Q(ミスター・キュー)
MC兼トラックメイカー。結成時からのメンバーで、グループの中心人物。旧表記は「Q」で、ORICONの歌詞クレジットなどでは現在もQ名義が見られる。ヒップホップ集団「走馬党」の党首でもある。ソロではアルバム『THE BANGSTA』(2006年)、『Let's Get!』(2017年)を発表し、2019年には自ら率いるクルーThe Moneyがデビューシングル「We Are The Money」をリリース。2025年にはヒプノシスマイクの楽曲「絆+」に山田マンとともに作詞で参加している。メンバーの本名は公式プロフィール等で公表されていないため、本記事では掲載しない。
山田マン(やまだマン)
MC兼トラックメイカー。「田」の字をピースマークに置き換えた「山☮マン」という表記も使われる。Qと意気投合し、2人によるラッパガリヤの実質的な再始動を担ったメンバー。ソロアルバム『MESSAGE』(2003年)、『RIZE UP』(2005年)を発表し、MAN山田名義ではリミキサーとしても活動する。ヒプノシスマイクの「Shinjuku Style ~笑わすな~」(麻天狼)では作詞・編曲を手がけるなど、作家としての仕事も多い。
DJ TOSHI(ディージェイ・トシ)
DJ兼トラックメイカー。1995年頃、渋谷のクラブ「CAVE」のイベントでラッパガリヤと出会い共演するようになり、2000年のメジャーデビューに合わせて正式加入した。グループのサウンドを支えるトラックメイカーでもあり、ORICONの歌詞情報では「エンターテイナー」など複数曲の作曲者としてクレジットされている。
三善/善三(旧:MMC三好)
結成メンバーのMC。「ラッパガリヤ」というグループ名の名付け親。結成後まもなく3人での活動は事実上休止し、以降はソロおよび三善/善三としてMr.Qらと組むREAL STYLAなどで活動。2005年のアルバム『RAPPAGARIYA』収録「FOR LIFE」には客演として参加している。
DJ TANAKEN(ディージェイ・タナケン)
結成メンバーのDJ。結成時の3人体制の一員で、以降はヒップホップグループBACKGAMMONのDJとして活動している。
来歴
1993年、Q、MMC三好、DJ TANAKENの3人により結成。MMC三好がグループ名を「ラッパガリヤ」と名付けた。しかし3人での活動はほどなく事実上休止し、Qがグループ名を受け継いで活動を継続。その後Qは山田マンと意気投合し、2人によるラッパガリヤとしてライブを中心に活動を始めた。1995年頃には、渋谷のクラブ「CAVE」で行われたイベントを通じてDJ TOSHIと活動を共にするようになり、同時期にコンピレーションアルバム『悪名』へ楽曲「ヤバスギルスキル」で参加。これがグループ初の参加作品となった。
1996年、インディーズレーベルP-VINEからシングル「ヤバスギルスキル PART II」を発表し、初の単独作品をリリース。1997年には、仲間たちとヒップホップ集団「走馬党」を結成(党首はQ)し、レーベル走馬党 Entertainmentを設立。グループ名の表記を「ラッパ我リヤ」に改め、12インチシングル「言葉の科学」を発表した。1998年9月25日には、1stアルバム『SUPER HARD』をリリースしている。
1999年には山嵐の「嵐2000」に客演し、2000年3月にはDragon Ashのシングル「Deep Impact」にフィーチャリング参加。この客演は大きな反響を呼び、グループの名を広く知らしめた。同年4月21日、DJ TOSHIが正式加入し、ビクターエンタテインメントからシングル「Do the GARIYA thing」でメジャーデビュー。同曲は本田技研工業「Shadow Slusher」のCMソングにも起用され、オリコン31位を記録した。7月19日にはメジャー第1弾アルバムとなる2ndアルバム『ラッパ我リヤ伝説』を発表し、オリコン11位のヒット。11月にはリミックス盤『Remix伝説』もリリースされた。
2001年7月に3rdアルバム『日本改造計画』(オリコン20位)、2002年3月にシングル「Enter the 我 ~燃えよ!我リヤ~」(オリコン34位)を発表。2003年には3人が主演する映画『3on3』が公開され、シングル「NORINA」は「B-Boy Park 2003」のテーマ曲に起用された。同年8月20日、結成10周年を記念する4thアルバム『RG A.I.R.4th』を発表。2004年にベスト盤『BEST of RG』、2005年には日本コロムビアへ移籍して5thアルバム『RAPPAGARIYA』、2006年10月4日には6thアルバム『NO HIPHOP NO LIFE』をリリースした。
2009年4月8日、徳間ジャパンコミュニケーションズから7thアルバム『MASTERPIECE』を発売するが、その後は表立った活動が途絶え、事実上の活動休止状態に入る。転機は2015年5月14日、新曲「MORE FIRE!」をFacebookで期間限定フリーダウンロードとして発表し、約6年ぶりに活動を再開。同年10月にはミックス盤『ラッパ我リヤバスギル Best Mix 2015』を発表し、2017年3月29日には約8年ぶりのオリジナルアルバム『ULTRA HARD』をMSエンタテインメントからリリースした。2018年には「ヒプノシスマイク」の3rd LIVEにゲスト出演している。
2023年は、梅田サイファーのR-指定、KZ、KBDを迎えた「ヤバスギルスキル 11」、般若を迎えた「情熱だけが燃料の蒸気機関車」を先行シングルとして発表し、10月18日に6年半ぶりの9thアルバム『CHALLENGER』をリリース。2025年12月17日には、ウルトラ・ヴァイヴから10thアルバム『不屈の男達の物語 ~The Story Of Indomitable Men~』を発表した。2026年2月には同作収録の「ヤバスギルスキル12」をリミックスとの2曲入りでシングルカットし、6月には代表曲をセルフリメイクした「Do the GARIYA thing 2026」をULTRA SMASH×ラッパ我リヤ名義で配信。マイクパフォーマンス動画シリーズ「ULTRA SMASH」第22弾への出演も話題となった。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1993年 | Q、MMC三好、DJ TANAKENの3人で結成。MMC三好が「ラッパガリヤ」と命名。その後3人での活動は事実上休止し、Qと山田マンの2人で再始動 |
| 1995年頃 | 渋谷のクラブ「CAVE」のイベントでDJ TOSHIと共演開始。コンピレーション『悪名』に「ヤバスギルスキル」で参加(初の参加作品) |
| 1996年 | P-VINEからシングル「ヤバスギルスキル PART II」を発表(初の単独作品) |
| 1997年 | ヒップホップ集団「走馬党」を結成し、走馬党 Entertainmentを設立。表記を「ラッパ我リヤ」に変更。12インチシングル「言葉の科学」発表 |
| 1998年 | 1stアルバム『SUPER HARD』発売 |
| 1999年 | 山嵐「嵐2000」に客演 |
| 2000年 | Dragon Ash「Deep Impact」に客演。DJ TOSHIが正式加入し、シングル「Do the GARIYA thing」でメジャーデビュー(オリコン31位)。2ndアルバム『ラッパ我リヤ伝説』(オリコン11位)、リミックス盤『Remix伝説』発売 |
| 2001年 | 3rdアルバム『日本改造計画』発売(オリコン20位) |
| 2002年 | シングル「Enter the 我 ~燃えよ!我リヤ~」発売(オリコン34位) |
| 2003年 | 主演映画『3on3』公開。シングル「NORINA」が「B-Boy Park 2003」テーマ曲に。結成10周年記念の4thアルバム『RG A.I.R.4th』発売 |
| 2004年 | ベスト盤『BEST of RG』発売 |
| 2005年 | 日本コロムビアへ移籍し、5thアルバム『RAPPAGARIYA』発売 |
| 2006年 | 6thアルバム『NO HIPHOP NO LIFE』発売 |
| 2009年 | 7thアルバム『MASTERPIECE』発売。以降、事実上の活動休止状態に |
| 2015年 | 新曲「MORE FIRE!」の期間限定フリーダウンロードで活動再開。ミックス盤『ラッパ我リヤバスギル Best Mix 2015』発売 |
| 2017年 | 約8年ぶりの8thアルバム『ULTRA HARD』発売(MSエンタテインメント) |
| 2018年 | 「ヒプノシスマイク」3rd LIVEにゲスト出演 |
| 2023年 | 先行シングル「ヤバスギルスキル 11」「情熱だけが燃料の蒸気機関車」を経て、9thアルバム『CHALLENGER』発売 |
| 2025年 | ヒプノシスマイク「絆+」にMr.Q&山田マンが作詞で参加。10thアルバム『不屈の男達の物語 ~The Story Of Indomitable Men~』発売(ウルトラ・ヴァイヴ) |
| 2026年 | シングル「ヤバスギルスキル12」、「Do the GARIYA thing 2026」(ULTRA SMASH×ラッパ我リヤ)を配信。「ULTRA SMASH」第22弾に出演 |
音楽性
ラッパ我リヤの音楽性は、重厚感のあるトラックに乗せて、押韻とパンチラインを徹底的に磨き上げる硬派なスタイルにある。2006年のレーベル資料では「重厚感のあるトラックと硬派なスタイル」と紹介され、2026年のCDJournalの記事でも「Do the GARIYA thing」について、圧倒的な押韻、パンチライン、フロウ、そして佇まいを含めたB-BOYスタンスがヘッズに影響を与え続けてきたと評されている。テクニックそのものをテーマにする姿勢は、ライム(韻)の仕組みをラップで解説する「R.G.力学」のような楽曲にも表れている。
その象徴が「ヤバスギルスキル」のシリーズだ。1995年のコンピレーション参加曲に始まり、PART II、パート3、PART.4、pt.6と番号を重ね、2023年にはR-指定、KZ、KBD(梅田サイファー)を迎えた「ヤバスギルスキル 11」、2025年には「ヤバスギルスキル12」へと到達した。約30年にわたって同じタイトルで自らのスキルを更新し続ける営み自体が、グループの歴史そのものになっている。
一方で、Dragon Ash「Deep Impact」のようなロック/ミクスチャー系アーティストとの共演や、ヒプノシスマイクへの楽曲提供・作詞参加など、活動の幅はヒップホップの枠にとどまらない。グループのロゴや作品のジャケットデザインには、グラフィティアーティストのTOMI-Eが長年携わっており、ヒップホップの4要素を体現するアートワークもグループの個性の一つである。
ディスコグラフィ
※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。
| リリース日 | タイトル | 種別 |
|---|---|---|
| 1996年10月10日 | ヤバスギルスキル PART II ~オリジナル・ミックス~ | シングル(ラッパガリヤ名義) |
| 1997年 | 言葉の科学 | 12インチシングル(Apple Music未配信) |
| 1998年9月25日 | SUPER HARD | 1stアルバム |
| 1999年7月23日 | R.G力学 | 12インチシングル(Apple Music未配信) |
| 1999年10月14日 | ヤバスギルスキル・パート3 | 12インチシングル(Apple Music未配信) |
| 2000年4月21日 | Do the GARIYA thing | シングル(メジャーデビュー曲) |
| 2000年7月19日 | ラッパ我リヤ伝説 | 2ndアルバム |
| 2000年11月22日 | Remix伝説 | リミックスアルバム |
| 2001年4月11日 | 新時代 | 12インチシングル(Apple Music未配信) |
| 2001年4月11日 | ヤバスギルスキル・パート4 | 12インチシングル(Apple Music未配信) |
| 2001年4月18日 | It's A Show Time | シングル |
| 2001年7月18日 | 日本改造計画 | 3rdアルバム |
| 2002年3月6日 | Enter the 我 ~燃えよ!我リヤ~ | シングル(Apple Musicでは紹介盤EPを配信) |
| 2003年7月16日 | NORINA | シングル |
| 2003年8月20日 | RG A.I.R.4th | 4thアルバム |
| 2004年9月22日 | BEST of RG | ベストアルバム(Apple Music未配信) |
| 2005年8月31日 | RAPPAGARIYA | 5thアルバム(Apple Music未配信) |
| 2006年10月4日 | NO HIPHOP NO LIFE | 6thアルバム |
| 2009年4月8日 | MASTERPIECE | 7thアルバム |
| 2015年10月28日 | ラッパ我リヤバスギル Best Mix 2015 | ミックスアルバム(Apple Music未配信) |
| 2017年3月29日 | ULTRA HARD | 8thアルバム |
| 2023年8月11日 | ヤバスギルスキル 11 (feat. R-指定, KZ & KBD) | 配信シングル |
| 2023年9月15日 | 情熱だけが燃料の蒸気機関車 (feat. 般若) | 配信シングル |
| 2023年10月18日 | CHALLENGER | 9thアルバム |
| 2025年12月17日 | 不屈の男達の物語 ~The Story Of Indomitable Men~ | 10thアルバム |
| 2026年2月23日 | ヤバスギルスキル12 | 配信シングル |
| 2026年6月8日 | Do the GARIYA thing 2026 | 配信シングル(ULTRA SMASH×ラッパ我リヤ) |
客演のみの作品(Dragon Ash「Deep Impact」、山嵐「嵐2000」、韻踏合組合「ハードライム (REMIX)」など)は本表に含めていない。また『SUPER HARD』は2003年8月20日にリマスタリング盤が再発されており、Apple Musicには再発盤も別途配信されている(リンク先は1998年のオリジナル盤)。2015年の活動再開時に発表された「MORE FIRE!」は期間限定のフリーダウンロード曲のため、本表には含めていない。
代表曲
ヤバスギルスキル・パートII ~オリジナル・ミックス~
1996年、P-VINEから発表された初の単独作品の表題曲。コンピレーション『悪名』への参加曲「ヤバスギルスキル」の続編で、Skipp(NOROY)を迎えている。ここから約30年にわたる「ヤバスギルスキル」のシリーズが始まった。
DO THE GARIYA THING
2000年のメジャーデビューシングル。ホンダ「Shadow Slusher」のCMソングにも起用された、グループ最大の代表曲。CDJournalは「日本語ラップ・クラシック」「我リヤの代名詞」と評し、2026年にはセルフリメイク版「Do the GARIYA thing 2026」も発表された。2ndアルバム『ラッパ我リヤ伝説』にも収録されている。
Enter the 我 ~燃えよ!我リヤ~
2002年のシングルで、オリコン34位を記録。グループ名そのものを掲げたタイトルどおり、我リヤの矜持を叩きつける一曲。『RG A.I.R.4th』にも収録された。Apple Musicでは、当時のプロモーション用「紹介盤」EPで配信されている音源にリンクしている。
NORINA
2003年のシングル。同年夏の「B-Boy Park 2003」のテーマ曲に起用され、グループは同イベントでトリを務めた。「手ェ上げろ叫ぼう」のコール&レスポンスが印象的な、ライブアンセムとして知られる一曲。
情熱だけが燃料の蒸気機関車 (feat. 般若)
2023年、9thアルバム『CHALLENGER』の先行シングルとして発表された、般若との共演曲。キャリアを重ねてなお走り続けるベテラン同士の邂逅として話題を呼んだ。
ヤバスギルスキル 11 (feat. R-指定, KZ & KBD)
2023年の先行シングル。「ヤバスギルスキル」シリーズの第11弾で、梅田サイファーのR-指定、KZ、KBDを迎えた世代を超えたスキル合戦。『CHALLENGER』にも収録されている。
ヤバスギルスキル12
2025年の10thアルバム『不屈の男達の物語 ~The Story Of Indomitable Men~』収録の、シリーズ第12弾。2026年2月にはKaminariTAKUMIによるリミックスとの2曲入りでシングルカットもされた。結成30年を超えてなお「スキル」を掲げ続ける、現在のラッパ我リヤを象徴する一曲。
今後のライブ
2026年11月3日時点で、2026年12月に開催されるラッパ我リヤの公演について、公式に発表された情報は確認できていない。新しい発表があり次第、本記事およびPLAY MAGAZINEのライブ情報でも案内する。
出典・確認日
- ORICON NEWS(作品情報・チャート順位・歌詞クレジット)
- 株式会社フォーサイド・ドット・コム プレスリリース(2006年10月4日、『NO HIPHOP NO LIFE』発売発表)
- CDJournal(「Do the GARIYA thing 2026」リリース記事、2026年)
- KING RECORDS(ヒプノシスマイク「絆+」リリース発表、2025年)
- ぴあ音楽(The Money デビューシングル記事、2019年)
- 4Gamer.net(ヒプノシスマイク 3rd LIVE ゲスト出演発表、2018年)
- Apple Music(各作品ページ)
- Wikipedia「ラッパ我リヤ」(補助資料)
確認日:2026年11月3日
