呂布カルマ(りょふかるま)は、愛知県名古屋市を拠点に活動するラッパー。MCバトルでは韻の量よりも対話の中身とパンチラインで勝負するスタイルを持ち込み、KING OF KINGSで2度の優勝を果たした「最強のラッパー」の一人に数えられる。自身が代表を務めるレーベル「JET CITY PEOPLE」から作品を発表し続ける一方、『フリースタイルダンジョン』のモンスターやACジャパンのCM「寛容ラップ」でテレビタレントとしても広く知られる存在となった。ブレイク後も名古屋に住み続け、地元を背負って全国で活動するスタンスを貫いている。
基本データ
| アーティスト名 | 呂布カルマ(Ryoff Karma) |
|---|---|
| 本名 | 非公表 |
| 生年月日 | 1983年1月7日 |
| 出身地 | 兵庫県西宮市(小学校時代は大阪府大阪市東淀川区で育ち、中学校進学時に名古屋市へ転居) |
| 拠点 | 愛知県名古屋市 |
| 学歴 | 名古屋芸術大学美術学部デザイン学科イラストレーションコース卒業 |
| 活動開始 | 2008年にUMB名古屋予選で注目を集め、2009年に1stアルバムをリリース |
| 所属・レーベル | JET CITY PEOPLE(代表)。事務所には所属せずセルフマネジメント |
| 関連グループ | nue |
| 公式サイト | JET CITY PEOPLE公式サイト |
来歴
兵庫県西宮市に生まれ、大阪市東淀川区で小学校時代を過ごした。中学校進学時に名古屋市へ引っ越し、漫画家を夢見て名古屋芸術大学美術学部へ進学。在学中にデモテープをダースレイダーに送り、「ライブをやったほうがいい」という助言を受けてクラブでのライブ活動を始めた。卒業後は漫画家の夢を追いながらフリーターや正社員(医薬品の配送、個別指導塾の教室長など)として働き、週末にライブを行う生活を続けた。
MCバトルでは2008年のUMB(ULTIMATE MC BATTLE)名古屋予選に出場し、その試合が大会のベストバウトに選ばれたことで名前が広がった。2009年1月、1stアルバム『13 shit』を名港Recordingsから1000枚限定でリリース。2010年には大学の同窓である鷹の目とレーベル「JET CITY PEOPLE」を発足させ、2ndアルバム『四次元HIP-HOP』を発表した。2011年には『B-BOY PARK 冬の陣』とUMBで全国大会(本選)に初出場し、3rdアルバム『STRONG』をリリース。2014年に4thアルバム『The Cool Core』を発表した。
転機は2015年。『THE罵倒』『SPOTLIGHT』『口喧嘩祭』『戦極MCBATTLE』と主要4大会で優勝を重ね、バトルMCとしての地位を確立した。ラップの収入が給与を上回ったことを機に塾の教室長を辞め、プロのラッパーとして専念するようになる。2016年末には『フリースタイルダンジョン』の年末特番に出演し、漢 a.k.a. GAMIを審査員全員一致のクリティカルで破る番狂わせを演じた。この出演で全国区の注目を集め、2017年からは同番組の2代目モンスターとしてレギュラー出演(後に3代目モンスターも務めた)。
2018年5月に5thアルバム『SUPERSALT』をリリース。同年のKING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP(決勝は2019年1月)で初優勝し、2020年大会(決勝は2021年1月)でも優勝して2度目の日本一に輝いた。2021年6月には6thアルバム『Be kenja』を発表し、同年にはグループnueのアルバム『bokeh』にも参加。2022年にはACジャパンのCM「寛容ラップ」に出演し、相手をディスらないラップが大きな話題を呼んだ。2023年はテレビ番組出演が156本に達し、「2023ブレイクタレント」ランキングで8位に入った。愛知県の交通安全キャンペーンに起用されるなど、行政や公的団体とのコラボレーションも多い。名古屋では毎月第3火曜日にclub buddhaで日本語ラップイベント『日乃丸』を主催し、ライフワークとしている。2025年4月には法人化し、株式会社の代表取締役となった。
年表
| 2008年 | UMB名古屋予選に出場し、ベストバウトに選出される |
|---|---|
| 2009年 | 1stアルバム『13 shit』をリリース |
| 2010年 | 鷹の目とJET CITY PEOPLEを発足。2ndアルバム『四次元HIP-HOP』 |
| 2011年 | 『B-BOY PARK 冬の陣』、UMBで本選に初出場。3rdアルバム『STRONG』 |
| 2014年 | 4thアルバム『The Cool Core』 |
| 2015年 | 『THE罵倒』『SPOTLIGHT』『口喧嘩祭』『戦極MCBATTLE』の主要4大会で優勝 |
| 2016年 | 共作アルバム『A New Misunderstanding』(p1 a.k.a. 2g × 呂布カルマ)。年末の『フリースタイルダンジョン』特番で漢 a.k.a. GAMIを破る |
| 2017年 | 『フリースタイルダンジョン』2代目モンスターとしてレギュラー出演開始(後に3代目も務める) |
| 2018年 | 5thアルバム『SUPERSALT』 |
| 2019年 | KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP 2018で優勝 |
| 2021年 | KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP 2020で優勝(2度目)。公式YouTubeチャンネル「呂布カルマ沼」を開設。6thアルバム『Be kenja』 |
| 2022年 | ACジャパンCM「寛容ラップ」に出演 |
| 2023年 | テレビ番組出演156本。「2023ブレイクタレント」ランキング8位 |
| 2025年 | 法人化し株式会社を設立 |
音楽性
呂布カルマの最大の特徴は、MCバトルに「対話の中身で勝負する」スタイルを持ち込んだことにある。押韻の量やフローの技巧が重視されがちなバトルにおいて、相手の発言を受け止めたうえで強烈なパンチラインを返す話術で勝ち上がってきた。一方でバトル以外の音源作品では積極的に韻を踏んでおり、そのことはFORKやR-指定、晋平太ら同業のMCからも指摘されている。
フローは淡々と低いテンションで歌う独特のもの。般若の熱いライブや鎮座DOPENESSのカラフルなフローの「逆を行く」ことを意識して確立したスタイルだという。リリックの題材は日常の観察から風刺、社会批評、哲学的なテーマまで幅広く、内容にタブーを設けないことで知られる。その一方で「リリックで紡いだ言葉は実現されていく」という考えから、ポジティブな内容を意識して書いていると語る。オールバックに柄シャツ、サングラスという強面の出で立ちと、冷静で知的な言葉遣いのギャップも呂布カルマの個性である。
ディスコグラフィ
※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。
スタジオアルバム(全7作)
| 発売日 | タイトル | レーベル | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2009年1月7日 | 13 shit | 名港Recordings | 1000枚限定。Apple Musicでは配信なし |
| 2010年8月18日 | 四次元HIP-HOP | JET CITY PEOPLE | |
| 2011年8月17日 | STRONG | JET CITY PEOPLE | |
| 2014年5月9日 | The Cool Core | JET CITY PEOPLE | |
| 2016年11月23日 | A New Misunderstanding | JET CITY PEOPLE | p1 a.k.a. 2gとの共作 |
| 2018年5月9日 | SUPERSALT | JET CITY PEOPLE | |
| 2021年6月23日 | Be kenja | JET CITY PEOPLE |
『13 shit』は1000枚限定で発売された伝説的な1stアルバムで、現在は廃盤。2022年にはJET CITY PEOPLEのNFTレーベル第1弾としてNFT化された。なおレーベル側のプロフィールでは共作の『A New Misunderstanding』を除いて数えるため、『SUPERSALT』が5th、『Be kenja』が6thアルバムと紹介されている。
その他の作品
- グループ作品:『bokeh』(2021年、nue名義)
- EP:『Butterfly RL』(2022年、MIDICRONICA & 呂布カルマ、Apple Music)
- 主なシングル:「眉唾」(2018年)、「真っ青」(2019年)、「烏天狗」(2020年)、「Lucky Boy, Lucky Girl」(2022年)、「不惑」(2023年)、「Forever Fresh Ecstasy Moment」(2023年)、「δ」(2024年)、「ICHIMOTSU」(2025年、AUDIO RADICAL & 呂布カルマ)
代表曲
ヤングたかじん
『SUPERSALT』(2018年)収録。歌手とタレントの二刀流で地元に根ざした活動を続けた、敬愛するやしきたかじんへのオマージュを込めた一曲で、「ヤングたかじん」は呂布カルマ自身の異名にもなった。trackはMr.蓮。
SAMSAVANNA
『Be kenja』(2021年)収録。RAMZAの手がけた汚れのないトラックの上で、繰り返す日常からのエスケープを淡々と歌う。2019年にシングルとして先行リリースされた。
Against the World
『Be kenja』(2021年)収録。T-SPICEプロデュース。世間へのカウンターを静かな怒りとユーモアで描く、呂布カルマの批評精神がよく表れた一曲。
Lucky Boy, Lucky Girl
2022年のシングル。アニメ『なならき -Seven Lucky Gods-』の主題歌として書き下ろされた楽曲で、MISTAA.LENプロデュース。シリアスなイメージの強い呂布カルマには珍しい、軽快なポップサイドを聴かせる。
俺の勝手
『The Cool Core』(2014年)収録。他人の評価に左右されず我が道を行く姿勢を歌った、初期呂布カルマの代表曲の一つ。(Apple Musicで聴く)
真っ青
『Be kenja』(2021年)収録。2019年にシングルとしてリリースされた夏の楽曲で、DJ Nejプロデュース。呂布カルマ自身も「令和のナンバーワン夏ソング」と評した、爽やかな一面を見せる一曲。(Apple Musicで聴く)
バトル戦績
呂布カルマは日本有数の優勝回数を誇るバトルMCである。その年の主要大会の優勝者が集うKING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIPでは2018年大会と2020年大会の2度優勝し、2021年大会でも準優勝した。UMB(ULTIMATE MC BATTLE)では2008年の名古屋予選で注目を集めて以降、本選の常連となり、2021年の『THE CHOICE IS YOURS』で優勝。2015年には『THE罵倒』『SPOTLIGHT』『口喧嘩祭』『戦極MCBATTLE』の主要4大会を制するなど、長年にわたって第一線で結果を残し続けてきた。近年は選手としての活動に加え、『3150×LUSHBOMU MC BATTLE』の審査員長や、高校生大会の審査員も務めている。
| 年月 | 大会 | 結果 |
|---|---|---|
| 2008年 | UMB 名古屋予選 | ベストバウト選出 |
| 2015年6月 | 戦極MCBATTLE 第12章 | 優勝 |
| 2015年12月 | THE罵倒 2015 GRAND CHAMPIONSHIP | 優勝 |
| 2015年 | SPOTLIGHT 2015/口喧嘩祭 | 優勝 |
| 2016年12月 | ULTIMATE MC BATTLE 2016 | 準優勝 |
| 2019年1月 | KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP 2018 | 優勝 |
| 2019年3月 | UMB 2019 THE CHOICE IS YOURS | 準優勝 |
| 2021年1月 | KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP 2020 | 優勝 |
| 2021年7月 | UMB 2021 THE CHOICE IS YOURS | 優勝 |
| 2021年10月 | 戦極MCBATTLE 第24章 日本武道館公演 | 優勝 |
| 2022年1月 | KING OF KINGS GRAND CHAMPIONSHIP 2021 | 準優勝 |
| 2024年3月 | フリースタイル日本統一 | 優勝 |
| 2024年11月 | 口喧嘩祭 vs 戦極MCBATTLE at Zepp Nagoya | 優勝 |
今後のライブ
2026年12月31日(木)、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催される年越しイベント「54th NEW YEAR ROCK FESTIVAL 2026-2027」への出演が発表されている(キングギドラ、KYONO BAND、Mountainman、武井勇輝、湾岸の羊~Sheep living on the edge~ほかと共演)。このほか、名古屋・club buddhaでは毎月第3火曜日に主催イベント『日乃丸』を開催している。
出典・確認日
情報源:愛知県公式サイト、JET CITY PEOPLE/TuneCore公式アーティストページ、音楽ナタリー、Forbes JAPAN、FNNプライムオンライン、Gekirock、SPICE、Wikipedia、Apple Music(2026年11月2日確認)。最新の情報は公式発表をご確認ください。
