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特集・考察

日本語ラップの元ネタを探せ! 第37回 DABO 編!!!

HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!

まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。

既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。

-サンプリング wikipediaより引用

要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。

「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。

この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。

「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。

ってことで、第37回目はDABOの元ネタを探っていきましょう!

DABOは千葉県出身のラッパーで、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバー。MC名の由来は、家族からの呼称「ダイ坊」を縮めたものだそう。Def Jam Japanの第1号アーティストとして契約し、2001年の『PLATINUM TONGUE』で「レクサスグッチ」がヒットしました。客演の多さでも知られる仕事人ですね。

第35回NITRO編ではDABOのバースの元ネタ(James BrownとLiquid Liquid)も登場しましたが、今回はソロ名義14行から7曲を紹介します!


DABOの曲を元ネタと比較してみましょう

DABO / MR.FUDATZKEE

まずは原点。1999年のソロデビュー12インチで、曲名はDABOの別名義そのものです。

DABO - MR.FUDATZKEE

The J.B.'s - The Grunt

元ネタは、The J.B.'sの「The Grunt」。James Brownのバンドによる、サンプリング史上でも屈指の大ネタです。

デビュー曲の下敷きにJB直系の大ネタ。王道中の王道から始まるキャリアだったんですね。

The J.B.'s - The Grunt


DABO / D.A.B.O.

2002年のシングル、自己名乗りの一曲を。

DABO - D.A.B.O.

Nancy Wilson - Ain't No Sunshine

元ネタは、Nancy Wilsonの「Ain't No Sunshine」として登録されています。この曲はBill Withersの原曲で広く知られますが、ネタ帳の登録はWilsonの版です。

名乗り曲にこの渋い歌声の下敷き。第32回KREVA編の「THE SHOW」でもNancy Wilsonが登場しましたね。掘り手に愛されるシンガーです。

Nancy Wilson - Ain't No Sunshine


DABO / TOKYO SHIT

続いては、タイトル対応が一目瞭然の同ジャンル引用を。

DABO - TOKYO SHIT

Busta Rhymes - New York Shit

元ネタは、Busta Rhymesの「New York Shit」。「NEW YORK」に対して「TOKYO」。都市の名前を掲げ合うアンサー的な構造が分かりやすいですね。

Busta Rhymes - New York Shit


DABO / THE FORCE

2006年、客演を一切排した勝負作『THE FORCE』の表題曲を。

DABO - THE FORCE

Whodini - One Love

元ネタは、オールドスクールのWhodiniの「One Love」。こちらもヒップホップ同ジャンルからの引用です。

普段は客演の多さで知られるDABOが、あえて一人で立ったアルバム。その表題曲の下敷きがオールドスクールという選択に、原点回帰の意志を感じます。

Whodini - One Love


DABO / Over The 修羅場 feat. B.D, BES, KGE

ここからは、元ネタのアーティストが同じ2連発。まずはコンピ『B.M.W.vol.1 BABY MARIO WORLD』収録のこの曲から。DABO側の単曲音源が見つからなかったため、元ネタ中心の紹介で失礼します。

Lamont Dozier - The Picture Will Never Change

元ネタは、Lamont Dozier(ラモント・ドジャー)の「The Picture Will Never Change」。モータウンの黄金期を支えた作家本人のソロ作です。

作家本人の歌声を掘る。この選択自体が「分かっている」感じがしますね。

Lamont Dozier - The Picture Will Never Change


DABO / The Light (Don't Turn Off)

『THE FORCE』収録の締めの曲にも、同じLamont Dozierが使われています。

DABO - The Light (Don't Turn Off)

Lamont Dozier - Rose

元ネタは、Lamont Dozierの「Rose」。違うアルバムの違う曲に、同じ作家の別の曲。ネタ帳を横断して初めて見える「好き」の蓄積だと思います。

Lamont Dozier - Rose


DABO / 恋はオートマ feat. HI-D

最後は振れ幅枠。2002年のシングルで、メロディアスな代表曲です。

DABO - 恋はオートマ feat. HI-D

Alphonse Mouzon - Come Into My Life

元ネタは、ジャズ・フュージョンのドラマーAlphonse Mouzon(アルフォンス・ムゾーン)の「Come Into My Life」。

ハードな曲が並ぶ布陣の最後に、この滑らかさ。DABOの振れ幅の広さで締めるのが今回らしいと思います。

Alphonse Mouzon - Come Into My Life


最後に

今回のDABOの元ネタは、The J.B.'s、Nancy Wilson、Busta Rhymes、Whodini、Lamont Dozier(2曲)、Alphonse Mouzonという布陣でした。

同ジャンル引用(Busta、Whodini)と、Lamont Dozierへの偏愛。DABOの「好き」がはっきり見える回になりました。

ちなみにDABOは「元ネタにされる側」でもあって、代表曲「拍手喝采」は第19回ZEEBRA編の「Jackin' 4 Beats」にサンプリングされています。なお「レクサスグッチ」など元ネタ未登録の代表曲は、連載のルールとして今回も扱っていません。

ネタ帳にはDa Joint feat. RYUZO(フランスの映画音楽家François de Roubaix)なども残っているので、DABO編の後編もいずれ。

ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!

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