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特集・考察

日本語ラップの元ネタを探せ! 第38回 KID FRESINO 編!!!

HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!

まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。

既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。

-サンプリング wikipediaより引用

要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。

「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。

この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。

「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。

ってことで、第38回目はKID FRESINOの元ネタを探っていきましょう!

KID FRESINOは1993年生まれ、埼玉県所沢市出身のMC/DJ/トラックメイカー。JJJ、FebbとのユニットFla$hBackS(2017年脱退)出身で、2013年にラップ歴わずか10か月で1stアルバム『Horseman's Scheme』を発表。ニューヨーク移住と帰国を経て、今や日本語ラップの最前線にいる存在です。

本人のプロフィールはPLAY MAGAZINEのアーティスト名鑑でも紹介しています。今回はソロ名義12行から7曲を紹介します!


KID FRESINOの曲を元ネタと比較してみましょう

KID FRESINO / this from your Wunderkid

まずはキャリア初期の曲から。この曲、ネタ帳には元ネタが2件登録されています(表記ゆれで2行に分かれている登録です)。

KID FRESINO - this from your Wunderkid

Atlantic Starr - Am I Dreaming

1つ目は、Atlantic Starrの「Am I Dreaming」。80年代ソウルの名バラードです。

Atlantic Starr - Am I Dreaming

Ray, Goodman & Brown - Special Lady

2つ目は、Ray, Goodman & Brownの「Special Lady」。こちらもソウル・グループの名曲。

デビュー期からソウルの名曲を2つも引き当てている。この時点で「掘り手」としての素質がはっきり出ていますね。

Ray, Goodman & Brown - Special Lady


KID FRESINO / Rondo

4thアルバム『20,Stop it.』収録の代表曲。この曲は冒頭の元ネタが登録されています。

KID FRESINO - Rondo (Official Music Video)

Skullcrusher - Places/Plans

冒頭の元ネタは、Skullcrusherの「Places/Plans」。近年のアメリカのインディー・ロックです。

70年代ソウルが中心のこの連載でも、かなり新しい世代の引用。掘る対象が「古い名盤」だけじゃないのが、トラックメイカーでもあるKID FRESINOらしいところです。

Skullcrusher - Places/Plans


KID FRESINO / Cloud9

KID FRESINO - Cloud 9

Rick James - Hollywood

元ネタは、Rick Jamesの「Hollywood」。ファンクの大物の初期の名曲です。

Rick James - Hollywood


KID FRESINO / Champion

KID FRESINO - Champion

Betty Davis - If I'm In Luck I Might Get Picked Up

元ネタは、Betty Davisの「If I'm In Luck I Might Get Picked Up」。ファンクの歌姫の代表曲です。

タイトルどおりの力強さと、このファンクの攻撃力。対応が気持ちいい組み合わせですね。

Betty Davis - If I'm In Luck I Might Get Picked Up


KID FRESINO / Who Can feat. Fla$hBackS

在籍時のユニットFla$hBackSとの共演曲は、曲名対応型の引用です。

KID FRESINO - Who Can feat. Fla$HbackS

The Jones Girls - Who Can I Run To?

元ネタは、The Jones Girlsの「Who Can I Run To?」。「Who Can」に対して「Who Can I Run To?」。フィリー・ソウルの名曲です。

The Jones Girls - Who Can I Run To


KID FRESINO / the Coolest feat. JJJ

Fla$hBackSの同僚JJJとの共演曲を。

KID FRESINO - The Coolest feat. JJJ

Teddy Pendergrass - Close The Door

元ネタは、Teddy Pendergrassの「Close The Door」。ソウルの王道中の王道です。

Teddy Pendergrass - Close The Door


KID FRESINO / Scarface Feat. C.O.S.A.

最後は意外性枠。C.O.S.A.との共演曲です。

KID FRESINO - Scarface Feat. C.O.S.A.

Little River Band - Days On The Road

元ネタは、オーストラリアのロックバンドLittle River Bandの「Days On The Road」。

「Scarface」という物騒なタイトルと、ソフトなロックの落差。この引き出しの広さがKID FRESINOの掘りの特徴だと思います。

Little River Band - Days On The Road


最後に

今回のKID FRESINOの元ネタは、Atlantic Starr、Ray, Goodman & Brown、Skullcrusher、Rick James、Betty Davis、The Jones Girls、Teddy Pendergrass、Little River Bandという布陣でした。

70年代ソウル/ファンクの王道から、近年のインディー・ロックまで。世代もジャンルも跨ぐ掘りの広さが、そのままこの人の音楽の新しさにつながっている気がします。

ネタ帳にはSTORY feat. 5LACK(Dynamic Five)やSpecial Radio feat. IO(ZAPP & ROGER)なども残っているので、後編もいずれ。

ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!

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