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JAPANESE HIP-HOP
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特集・考察

日本語ラップの元ネタを探せ! 第39回 IO 編!!!

HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!

まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。

既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。

-サンプリング wikipediaより引用

要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。

「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。

この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。

「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。

ってことで、第39回目はIOの元ネタを探っていきましょう!

IOは東京都出身のラッパーで、KANDYTOWNとBCDMGのメンバー。第18回ではKANDYTOWNとして元ネタを取り上げましたが、今回はソロ編です。拠点は世田谷区喜多見で、KANDYTOWNの「K」は喜多見に由来するそう。

ソロでは2016年に1st『Soul Long』、2017年に『Mood Blue』を発表し、2019年の『Player's Ballad.』でメジャーデビュー。2025年には自身のレーベルVERETTA SOUNDSを立ち上げています。

なおネタ帳のIOソロ登録は、初期2作(『Soul Long』『Mood Blue』)が中心です。今回はその12行から7曲を紹介します!


IOの曲を元ネタと比較してみましょう

IO / Check My Ledge (feat. YUSHI)

まずはソロ・デビューの看板曲から。IO側の単曲音源が見つからなかったため、元ネタ中心の紹介で失礼します。

Lou Courtney - Since I First Laid Eyes On You

元ネタは、Lou Courtneyの「Since I First Laid Eyes On You」。

客演のYUSHIは、2014年に亡くなったKANDYTOWNの中心人物。IOのソロの出発点にこの人の声があること自体が物語なのですが、その下敷きにこのソウル。重みのある始まり方です。

Lou Courtney - Since I First Laid Eyes On You


IO / Soul Long

1stの表題曲も、IO側はテキストのみで。

Sidney Barnes - Summer Sunshine

元ネタは、Sidney Barnesの「Summer Sunshine」。ノーザン・ソウル系のシンガーです。

タイトルどおりの「夏の日差し」感と、IOの声の温度感。この組み合わせが『Soul Long』というアルバムの世界観を象徴していると思います。

Sidney Barnes - Summer Sunshine


IO / DIG 2 ME

ここからはIO側の音源ありで。公式ビデオのある1曲です。

IO - Dig2Me (Official Video)

Arthur Verocai - Na Boca Do Sol

元ネタは、ブラジルの巨匠Arthur Verocai(アルトゥール・ヴェロカイ)の「Na Boca Do Sol」。

ブラジル音楽まで届く引き出し。IOの「DIG」の深さが分かる選曲ですね。

Arthur Verocai - Na Boca Do Sol


IO / PLAY LIKE A 80'S

続いては和モノ枠。IO側はライブ映像でどうぞ。

IO - Play Like 80's (Live at Billboard Live TOKYO)

笠井紀美子 - Mmm Mmm Good

元ネタは、日本のジャズ・シンガー笠井紀美子の「Mmm Mmm Good」。

元ネタが日本の歌手というのはこの連載でも珍しいケース。和ジャズの名盤からの掘りです。

笠井紀美子 - Mmm Mmm Good


IO / This Time feat. ANARCHY

『Mood Blue』からは、曲名がそのまま対応する1曲を。

IO - This Time feat. ANARCHY

Family Connection - This Time

元ネタは、Family Connectionの「This Time」。IO側も元ネタ側もタイトルが「This Time」。

タイトルまで揃えた引用は、リスペクトの表明として分かりやすいですね。ANARCHYとの共演という話題性もあります。

Family Connection - This Time


IO / So

『Soul Long』収録の短い1曲は、IO側がテキストのみです。

Lamont Dozier - Prelude

元ネタは、モータウンの名ソングライターLamont Dozierの「Prelude」。タイトルどおり「前奏曲」です。

第37回DABO編でも2曲登場したLamont Dozier。掘り手たちに愛される作家ですね。前奏曲をそのままネタにするセンスが光ります。

Lamont Dozier - Prelude


IO / CITY NEVER SLEEP

最後は、80sソウルの名曲との聴き比べを。

IO - City Never Sleep

Rene & Angela - My First Love

元ネタは、Rene & Angelaの「My First Love」。80年代ソウル/ブギーの名曲です。

「眠らない街」の曲に「初恋」の名曲。タイトルのコントラストも含めて楽しめる組み合わせだと思います。

Rene & Angela - My First Love


最後に

今回のIOの元ネタは、Lou Courtney、Sidney Barnes、Arthur Verocai、笠井紀美子、Family Connection、Lamont Dozier、Rene & Angelaという布陣でした。

ソウルを軸に、ブラジルと和モノまで。IOの美意識の源流が見える回になったと思います。

ちなみにネタ帳では、「119measures」と「Prestige」という別の2曲に、どちらもBloodstoneの「Instant Love」が元ネタとして登録されています。実際に両曲とも同じネタなのかは未確認なのですが、こういう発見も帳を横断する楽しさですね。

近年の代表曲(Shawty.やBill.など)はネタ帳に登録がないため、連載のルールとして今回は扱っていません。登録が増えたら続編もぜひ。

ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!

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