本文へ
JAPANESE HIP-HOP
MUSIC / CULTURE / PEOPLE
⌕
アーティスト名鑑

T-STONE(ティーストーン)|徳島・加茂名のMC。UMB徳島予選3連覇と『Type 1 Diabetes』

読み方てぃーすとーん

UMB徳島予選3連覇、10歳から抱える1型糖尿病をそのままアルバムタイトルに掲げ、TikTokで「Let's Get Eat」が全ジャンル総合1位を取り、2026年にはROAD TO AH1で1,000人超の応募者から頂点に立った。T-STONEは徳島・加茂名出身のMCで、経歴の要素だけ並べればまるで別人の寄せ集めのようだ。けれど彼の凄さは、その全部を「徳島のT-STONE」という一つの看板に束ねてきた転換力にある。弱みのはずのものを、全部看板に変えてきた男の記録である。

基本データ

名義 T-STONE
読み ティーストーン
生年月日 1999年3月28日(公式プロフィールで公表)
出身 徳島県徳島市(加茂名)

来歴

10歳のときから1型糖尿病を抱えている。小学1年から少林寺拳法を習い、高校ではラグビー部に所属したが、両膝の前十字靭帯を断裂して競技から離れた時期にフリースタイルラップへ没頭した。影響を受けた作品としてZEEBRA『BASED ON A TRUE STORY』やKendrick Lamar、同郷・四国のDisryの名をインタビューで挙げている。

2017年、UMB徳島予選を優勝して活動を本格化させ、2018年・2019年も徳島予選を制して公式プロフィールに明記される「3連覇」を達成。本戦には2017年から2020年まで4年連続で出場した。2019年のEP『APOSTROPHE』収録の「Let's Get Eat」は、2021年にTikTokで大ブレイクし、Billboard JAPAN「TikTok Weekly Top 20」(2021年12月15日付)で全ジャンル総合1位を獲得。MVは2022年5月時点で375万回再生を記録した。2022年7月には1stフルアルバム『Type 1 Diabetes』を発表。「今までコンプレックスだったモノを作品の名前にした」と公式プロフィールが説明する一枚で、iTunes Storeヒップホップ/ラップトップアルバムで4位に入った。

2024年には、1型糖尿病との生活を初めて歌った「GONG feat. Watson & Bonbero」を発表し、徳島の藍染文化を題材にしたEPシリーズ『藍』を開始。2025年には同シリーズ最終章「Ai Final」、韓国ラッパーNSW yoonとのコラボEP『120』をリリースした。2026年には若手の登竜門ROAD TO AH1で優勝し、MINMIの武道館ライブに出演。徳島インディゴソックスのアンバサダー、ファッションブランドのランウェイショーでのライブなど、活動の場はヒップホップの外側へも広がっている。

年表

2017年 UMB徳島予選優勝、活動を本格化
2018〜2019年 UMB徳島予選を連覇し3連覇達成/EP『APOSTROPHE』
2021年 「Let's Get Eat」がTikTokでブレイク、Billboard週間チャート総合1位
2022年 1stフルアルバム『Type 1 Diabetes』(iTunes同ジャンル4位)
2024年 「GONG」/EPシリーズ『藍』開始/全国11都市ツアー
2025年 「Ai Final」/NSW yoonとのコラボEP『120』
2026年 ROAD TO AH1優勝/MINMI武道館ライブ出演

バトル戦績

大会 成績 備考
UMB 本戦(2017) 1回戦敗退 MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻に敗退
UMB 本戦(2018) ベスト32 O.G.Kに勝利、だーひーに延長の末敗退
UMB 本戦(2019) ベスト16 CJ、ふーわに勝利、SHAMOに敗退
UMB 本戦(2020) 1回戦敗退 T-TANGGに敗退
フリースタイルダンジョン(2020) 7th season出演 チャレンジャーとして登場し、ERONEに敗退
ROAD TO AH1(2026) 優勝 1,000人超の応募者から1位に選出

※UMB徳島予選の連覇は公式プロフィールの「2017・2018・2019の3連覇」が根拠で、2020年の予選優勝は確認できていない(本戦には徳島枠で出場)。なお彼の楽曲は他のMCのバトルビートとしても使われ続けており、「For Real」などが各地の大会で採用されている。

音楽性

エッジの効いたハスキーボイス、ユーモアを織り交ぜたリリック、スタイリッシュな佇まい。この3点セットがT-STONEの受け止められ方の核だ。「食の大切さ」を歌う「Let's Get Eat」の親しみやすさと、バトル出身者らしい現場の強さが同居している。『Type 1 Diabetes』ではZEEBRAの代表曲を再構築した「DonDaDa feat. ZEEBRA」や、母親への感謝を歌う「Woman feat. Sorane」のように、大物との共演と家族への率直な歌詞が並んだ。阿波踊りの寶船と組んだ「騒 〜ZOMEKI〜」や藍染を掲げた『藍』シリーズなど、地元・徳島の文化を自分の文脈に取り込む手つきも彼の個性で、レペゼンの物語が誇張ではなく実績で積み上がっている点が強い。

ディスコグラフィ

※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。

発売日 タイトル 形態
2019-01-23 BADASS EP(4曲)
2019-06-27 Let's Get Eat (feat. Kotetsu) シングル
2019-07-18 New Era (feat. Disry) シングル
2019-10-23 APOSTROPHE EP(7曲)
2020-07-22 Hustle シングル
2020-10-26 調子 (feat. KUYA MIGUEL) シングル
2020-11-02 調子 (REMIX) EP(5曲)
2020-11-23 Coffee シングル
2021-01-16 INDEPENDENT EP(8曲)
2022-01-28 言U シングル
2022-07-01 Type 1 Diabetes 1stフルアルバム(10曲)
2022-12-07 Star (feat. Watson) シングル
2022-12-14 The Tokyo (feat. Luna) シングル
2022-12-21 Type 1 Diabetes (Deluxe) アルバム(16曲)
2023-06-09 Type Gold (Diabetes) シングル(3曲)
2023-07-01 Type 1 Diabetes (Instrumental) インストアルバム(15曲)
2023-09-09 言うてもしゃあない シングル
2024-02-24 GONG feat. Watson & Bonbero シングル
2024-07-02 I(向日葵/メトロ/白鷺) 『藍』第1弾シングル(3曲)
2024-10-11 Leon シングル
2024-11-29 Ai EP(4曲)
2025-04-02 流星群 (feat. AIRIE) シングル
2025-04-16 Ai Final 『藍』シリーズ最終章(3曲)
2025-10-22 Travel (feat. NSW yoon) シングル
2025-11-19 福 (feat. NSW yoon) シングル
2025-12-03 120 (feat. NSW yoon) コラボEP(6曲)
2026-01-01 One Moon, One Sun シングル
2026-02-25 刈 (Cut It) シングル
2026-05-03 ここから シングル
2026-09-09 Very Happy (feat. MINMI) シングル(「超楽しい」の配信表記とみられる)

客演ではMINMI「渦 (feat. T-STONE)」、illrain「地方 (feat. T-STONE, Authority & TERU)」などがある。2018年のミックステープ『PURPLE GARDEN』は公式プロフィールに記載があるが、配信形態は確認できていない。

代表曲

  • 「Let's Get Eat (feat. Kotetsu)」— 2019年のEP収録曲が2021年にTikTokで大ブレイクし、Billboard週間チャート全ジャンル総合1位を獲得した代表曲。食の大切さを歌う内容の親しみやすさが、バトルMCのイメージとのギャップでライト層まで届いた。
  • 「GONG feat. Watson & Bonbero」— 2024年のシングルで、公式に「1型糖尿病との生活を初めて歌った楽曲」と位置づけられる。同郷のWatsonらとの共演で、テーマは「負けず嫌い」。
  • 「Travel (feat. NSW yoon)」— 韓国のNSW yoonとのコラボの入口になった曲。MVのスタイリングまで本人が語る、現在のT-STONEの見せ方の基準。
  • 「超楽しい feat. MINMI」— MINMIとの共演曲で、武道館ライブでも披露された。先輩世代からの抜擢が続く現在の立ち位置を象徴する一曲。
  • 「言U」— 2022年のシングル。言葉そのものを題材にした、彼のリリックの切れ味がよく分かる曲。
  • 「ここから」— ROAD TO AH1優勝の経験を歌った2026年の曲。1,000人超の中から選ばれた先の景色を、自分の言葉で刻んでいる。

出典・確認日

TuneCore Japan(本人アーティストページ)、公式サイト、Hypebeast.JPインタビュー、jp-hphp(戦績記録)、Apple Music、公式YouTubeチャンネル。2026年11月8日確認。

もう少し読む