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特集・考察

雪とクリスマスの日本語ラップ10選|冬の情景が歌詞に刻まれた曲だけを集めた

雪とクリスマスの日本語ラップ10選。KICK THE CAN CREW、GAGLE、ICE BAHNからRin音、G.RINAまで、タイトルや歌詞に冬の情景がはっきり刻まれた曲だけを集めました。2017年の名記事「冬に聴きたい10選」とは選曲ゼロかぶりの、もうひとつの冬のリストです。

寒くなってきましたね。冬が近づくと、どうしても聴きたくなる曲ってあります。

先に言っておくと、PLAY MAGAZINEには2017年に公開された「冬に聴きたい日本語ラップ(HIPHOP)10選!」という記事がすでにあります。冬の寒空でしんみり聴きたい曲を、気分で選んだ10曲。あれはあれで名記事で、正直、自分たちも大好きな1本です。

じゃあなんでまた冬の10選を作ったのかというと、軸を変えたかったから。今回は「冬っぽい気分」ではなく、タイトルや歌詞の中に、雪やクリスマスや冬の情景がはっきり刻まれている曲だけを集めました。選曲は2017年の10選と1曲もかぶっていません。気分で選ぶ冬と、情景で選ぶ冬。聴き比べてもらえるとうれしいです。

ルールはシンプルで、冬であることに根拠がある曲だけ。公式MVがある曲は埋め込みでそのまま聴けます。MVがない曲はApple Musicのリンクでつないでいます。あと、1990年代も本気で探したんですが、冬を主題にしていて、ちゃんと裏の取れる代表曲が見つからなかった。無理やり入れるのは違うと思ったので、今回は2001年から2020年の10曲です。「あの曲があるだろ」という人は、ぜひ教えてください。

今回の10曲

  1. KICK THE CAN CREW「クリスマス・イブRap」(2001年)
  2. GAGLE「雪ノ革命」(2002年)
  3. ICE BAHN「越冬」(2003年)
  4. KEN THE 390「Winter Song」(2018年)
  5. ¥ellow Bucks「To The Top X'mas 2019 feat. Daiki Blunt & TEE」(2019年)
  6. 空音「cocoa feat. kojikoji」(2019年)
  7. クボタカイ「真冬のショウウィンドウ」(2019年)
  8. SALU「Snow feat. JP THE WAVY」(2020年)
  9. G.RINA「WHITE NIGHT feat. BIM」(2020年)
  10. Rin音「snow jam」(2020年)

1. KICK THE CAN CREW「クリスマス・イブRap」(2001年)

日本語ラップのクリスマスといえば、まずこれじゃないでしょうか。山下達郎「クリスマス・イブ」を下敷きにした、2001年のシングルです。誰もが知るあのクリスマスの景色の上にラップを乗せるという発想自体、当時はかなり大胆だったはず。それでいて全然ふざけていないのがすごいところで、30万枚を超えるヒットになったのも納得です。

ちなみに、MVが公式に公開されたのは2024年の12月。20年以上経ってから映像で聴けるようになったというのも、この曲が今も現役の定番だという証拠だと思います。KICK THE CAN CREWの歩みはアーティスト名鑑にもまとめています。

2. GAGLE「雪ノ革命」(2002年)

仙台のGAGLEが2002年のアルバム『3 MEN ON WAX』に入れた1曲。雪国の人間が、地元に残って活動を続ける決意を歌っています。「雪」という言葉が、ロマンチックな景色としてではなく、暮らしそのものとして出てくるのがこの曲の強さです。

DJ Mitsu the Beatsのトラックの上で、静かに、でも確実に熱が上がっていく感じ。2023年には7インチも出ました。こういう曲があるから、冬の日本語ラップは面白い。GAGLEについては名鑑と、元ネタを掘った「日本語ラップの元ネタを探せ! GAGLE編」もぜひ。

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3. ICE BAHN「越冬」(2003年)

タイトルがすべてを言っています。「越冬」。冬を楽しむ曲ではなく、冬を耐えて、来る春を虎視眈々と狙う曲です。2003年のクリスマスに発売されたアルバム『STARTREC』の収録曲。

不遇の時代を冬にたとえるのはヒップホップの昔からの型でもありますが、ICE BAHNの場合は言葉のひとつひとつが本当に寒さの中で鍛えられたみたいに硬い。寒い日に聴くと背筋が伸びます。この曲の元ネタについては「元ネタを探せ! ICE BAHN編」で掘っています。

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窓辺でヘッドホンをつけて雪景色を眺めるイラスト

4. KEN THE 390「Winter Song」(2018年)

ここからは少し時代が飛んで2018年。KEN THE 390のアルバム『リフレイン』に入ったラブソングです。雪が舞う街と、白い息。冬の恋の曲って、どうしても甘くなりすぎるものが多いんですが、KENの場合はラップの技術が土台にあるので、甘いのにだれない。このバランスが絶妙だと思います。

個人的には、寒い日の帰り道に聴く1曲として推したいです。

5. ¥ellow Bucks「To The Top X'mas 2019 feat. Daiki Blunt & TEE」(2019年)

打って変わって、勝ち上がった男のクリスマス。2019年の¥ellow Bucksです。クリスマスソングというと切ない曲が多い中で、これはパーティーの曲。「To The Top」の名を冠した、勢いそのままの1曲です。

しんみりするだけが冬じゃない。年末の浮かれた空気まで含めて冬だと思うので、この曲は外せませんでした。¥ellow Bucksの歩みは名鑑でどうぞ。

6. 空音「cocoa feat. kojikoji」(2019年)

空音の「cocoa」は、公式にもクリスマス・ナンバーと紹介されている曲です。雪の朝から始まる、kojikojiとの掛け合いがとにかく心地いい。プロデュースはRhymeTube。この人の名前は、のちに出てくるRin音のところでもまた登場します。

2019年のアルバム『Fantasy club』の収録曲。温かい飲み物のタイトル通り、聴いていると少し温かくなる曲です。

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7. クボタカイ「真冬のショウウィンドウ」(2019年)

クボタカイのデビューEP『明星』(2019年)のために書き下ろされた1曲。「真冬のショウウィンドウ」というタイトルだけで、もう景色が見えます。年末の街の明かりと、ガラス越しの距離感。クボタカイの歌に近いラップは、こういう季節の曲と本当によく合います。

大きな出来事が起きる曲ではないけれど、冬の夜にふと思い出すのは、だいたいこういう曲です。

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雪の降る夜の街をヘッドホンで歩くイラスト

8. SALU「Snow feat. JP THE WAVY」(2020年)

札幌出身のSALUが、JP THE WAVYを迎えて歌う「Snow」。2020年のアルバム『BIS3』の収録曲で、プロデュースはLil'諭吉とZOT on the WAVE。音は今どきなのに、歌われている雪景色にはちゃんと北国の重さがある気がします。

SALUの曲をもっと聴きたい人は、SALUのおすすめ曲の記事もどうぞ。

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9. G.RINA「WHITE NIGHT feat. BIM」(2020年)

G.RINAの「WHITE NIGHT」は、2020年12月に配信されたクリスマス曲。BIMとの共演です。窓辺と、聖なる夜。派手な曲ではないのに、聴き終わったあとに景色が残るタイプの1曲だと思います。

プロデューサーとしても知られるG.RINAですが、ラッパー/シンガーとしての表現力の分かりやすさでは、この曲が一番かもしれません。

10. Rin音「snow jam」(2020年)

締めはRin音の「snow jam」。本人が初のウィンターソングと語って作った2020年の曲で、Spotifyの国内バイラルチャートで1位を獲り、ストリーミングは1億回を超えました。プロデュースは空音の「cocoa」と同じRhymeTube。この10選の後半は、実はこの人の仕事でつながっています。

第62回日本レコード大賞の新人賞も獲ったRin音の代表作です。冬の曲が、新しい世代のポップスとして普通にヒットする時代になったんだなあ、と感じます。

最後に

10曲並べてみて改めて思ったのは、冬の日本語ラップって、地元と帰り道の歌が多いなあ、ということです。雪国の決意も、都会のクリスマスも、結局は「自分がいる場所」の歌になっている。それが冬という季節の特殊なところかもしれません。

2017年の「冬に聴きたい日本語ラップ(HIPHOP)10選!」が気分で選んだ冬なら、こちらは情景で選んだ冬。季節つながりでは「秋に聴きたい日本語ラップ10選」もあります。寒いのは嫌いだけど、冬の曲は好き。そんな人のプレイリストに、この10曲が刺さるとうれしいです。

※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。

出典・確認日:各アーティストの公式発表、レーベル公式ページ、Apple Musicの収録情報を2026年11月3日に確認。動画は各公式チャンネルのものを埋め込んでいます。

更新履歴:2026年11月3日 公開。同日、2017年の既存記事との企画の違いを明確にするため、タイトルと本文を改訂。

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