【日本語ラップ】ICE BAHN (アイスバーン)おすすめの曲6選

ICE BAHN(アイスバーン)とは?

HIP HOP冬の時代と言われた2003年に活動を開始したクルー、それがICE BAHN(アイスバーン)です。

日本語ラップが日の目を浴び、シーンが盛り上がったからこそのHIP HOP人口の増加、それによる供給過多が引き起こしたHIP HOP離れ、そんな厳しい時代を掻いくぐってきたICE BAHNは、レジェンドクラスの老舗クルーといえるでしょう。

メンバーはフリースタイルダンジョンのモンスターとしても有名でICE BAHNで唯一と言ってもいい表の活動を展開する低音域を得意とするラッパー・FORK(フォーク)、主に公式ホームページでブログを担当する中音域からハードにかますラッパーの玉露(ぎょくろ)、高音域でややアクロバティックな踏み方を魅せるKID(キッド)の3MC、トラックメイクを担当するDJのBEAT奉行の4人で構成されたクルーです。

かっちりと、がっしりと質実剛健な韻を踏み倒すことを最大の特徴とする彼らは、実は、ZEEBRAや雷からも一目置かれる実力者。

ZEEBRAが展開するYouTube「ラップメソッドチャンネル」では、FORKが担当するラップ部分を本人が構造を紹介し、それにZEEBRAが解説を加える動画がアップされていました。

ここでは、縦横無尽に踏みつくされた複数の韻、各所にちりばめられた韻の伏線もばっちり回収する超テクニカルでリズミカルなFORKのラップが露わにされ、その質の高さZEEBRAからは「このコーナー作ってよかった、素晴らしい!」と高い評価を受けたFORK。

フリースタイルでも無類の強さを誇るFORKの次元の違うラップ力を知るには必見のこの動画、要チェックです。

また、ICE BAHNは3MC1DJとなってからはメンバーが固定されおよそ20年活動を続けています。

これについて、KIDは「長く続けるからこそレベルアップする部分が大切」という内容の発言をしており、彼らの圧倒的なラップ力、韻踏み力はメンバー間での弛まぬ切磋琢磨の結晶ではないかと実感しました。

ICE BAHNの曲が聴いてみたくなったところで、おすすめの曲に行ってみましょう。

ICE BAHN おすすめの曲6選

越冬

まずは彼らのデビューアルバムのなかから「越冬」。デビューした2003年が冬の時代であったことはすでに紹介した通りですが、その冬を乗り切るためのオリジナリティを徹底したライムと韻に見出したと語るFORK、登場とともに「この氷河期じゃ 能書きじゃなくて 捻る脳がキー」といきなりKO勝利といったところですね。

「生活が逆転して活性化」というラインでは、「生活」を逆転させて「活性化」という踏み方にする段違いのテクニックも見せています。

恐ろしいほど堅い韻、ぜひご賞味ください。

韻守運転

続いての曲は、タイトルからして踏みまくっている印象全開のこの曲。

一定リズムでワンバースにいくつもの韻を踏み込みながら、ビート全体のリズムをけん引していくとは、もはや韻シスト。

和風にアレンジしたトラックに絶妙にマッチしたKIDのラップがキレキレなところも、クールですね。終盤で玉露が踏みまくってクライマックスに持っていく流れは、まるで大物ロックシンガーのマスト曲のような上げ方です。

ポーカーフェイス

供給過多の群雄割拠、冬の時代。

「そんな茨の道をポーカーフェイスで潜り抜けてきたぜ」と言わんばかりのこの曲は、メロディアスなトラックにIB節をグイグイ載せてきたややオラオラな一曲ですね。

ミドルテンポが多い印象のあるICE BAHNのBPM早めの一曲も”アリ”。

「ポーカーフェイス」を収録した3作目のアルバムは、新たな境地を開拓するための挑戦の感じられるトラックが多め、要チェックではないでしょうか。

LOYYALITY

続いては、Otis Redding の「 Rock Me Baby」を大胆にサンプリングした一曲。

ブルースの王道といってよいギターイントロやギターリフ、盛り上がったところで突入するギターソロをここまで大胆にサンプリングしていながら、その王道サウンドに競り負けないソリッドなライムは絶品です。

「極太段違い」と自らラップするように、極太のインパクトを持ったこのラップは日本男児必聴ですよ。

Loose Blues

「Loose Blues」は意外性ある一曲です。ラップの内容もトラックもライトで軽やか、お洒落に流れていくフロウは、どことなくKREVAやリップスライムのようなメジャー感がありますね。

「金にもルーズ 時間にもルーズ 女にもルーズ」というフレーズはまさにそれです。

とはいえ、どんな曲でもかっちりと韻を踏んでくるのは、さすがICE BAHNです。

LEGACY

最後は「LEGACY」。

2018年に久々に発表したアルバムだからこそ、満を持して踏み込んできたICE BAHNの王道ライムがオンパレードの一曲ですね。

どこを切ってもパンチラインと踏み固められた韻が詰まっています。彼らの実力が余すところなく詰まった「LEGACY」はMVも相当な力の入れ具合で、これでもかというほどに踏みまくっていますね。

また、彼らのテリトリーである横浜界隈の渋さ満点のロケーションも曲やラップにマッチしていて最高です。

「LEGACY」とは、「伝統・遺産」という意味の言葉ですが、この曲はICE BAHNの伝統を詰め込んだ、後世に残したい遺産級の曲ではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか? ICE BAHNのおすすめの曲、これぞまさに韻の堅さの真骨頂。

どの曲を聴いても3MCが三者三様にガチガチに韻を踏み込んでいくラップは最高にクールで力強いとは思いませんか。

ここまで踏み固められたライムは、まさに「オリジナルライム 正規取扱店」ですね。

韻の堅さやテクニックよりもフロウに流れがちな昨今ですが、伝統を受け継いで磨き続ける、20年積み上げてきたICE BAHNのライム、これからもしっかりと注目していきたいと思います。

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