雨の日に聴きたい日本語ラップ5選

「また雨か…」。梅雨の時期が来ると雨音を聞きながら、毎朝そんな気持ちになったりしませんか。

暑いのか寒いのか微妙な空気、湿気でうまく決まらないヘアスタイル、じっとりしでベタついた空気や肌。

理由ははっきりしないけどなんとなく憂鬱で出かけるのが面倒になることもしばしば、ですよね。

まるで上がらない気分を抱えた毎日をどうにかしたい、そんなときに聴きたい「日本語ラップ」をご紹介します。

雨の憂鬱をかき消すもよし、いっそ思いっきりそれに浸るもよし、雨の日の憂鬱を優しく受け止められるのもまたよしですね。

その雨が、アナタにとって「恵みの雨」になれば幸いです。

AK-69 「I’m the shit feat.¥ellow Bucks」

まず紹介するのは、AK-69 「I’m the shit feat.¥ellow Bucks」です。2021年4月にサプライズリリースされた¥ellow Bucksとのコラボ第2弾デジタルシングルとなるこの一曲。

Hip Hop界ではすでに重鎮としてのポジションを確立し、常に「最新の俺が最高の俺」「曲の中での俺らは最高」と言わんばかりの楽曲で聞く人間のダークな自信を拡張させるような曲を多く聴かせてくれるAK-69が手掛けただけあって、まるで雨の日の憂鬱を真っ向から突破するような攻撃的なリリック&トラックにやられます。

序盤に出てくるリリックの「You want it? 頑張れ」、中盤の「再生数買って 売れたフリしてろ」などのリリック、それを乗せた真理をえぐるようなトラックが聴く人の心を奮い立たせて、「雨、舐めんなよ、かかってこい上等だ、コラ」という気持ちにさせてくれます。

これなら、憂鬱で面倒な雨の日の通勤も通学も一撃、何もかもぶち壊せそうな気持ちになれますね。

共同作業した\ellow Bucksも「この曲はスタイル含めてフレックス(見せつける)してるようだし、もう最高でした!」と語っていますが、とにかくクールで不敵でダーティなこの曲で雨の日は決まり、といった感じです。

SEEDA 「花と雨」

2006年12月リリースで当時話題となったSEEDAの「花と雨」は、タイトルとMVのワンシーンからのチョイス。アルバムのタイトル曲ともなっているこの曲は、MVでも描かれた雨の夜に車の中で色々なことを思い出し、考え、今から抜け出そうとするようなもがきながら前に進もうとする日、それをストレートにぶつけたリリックが印象的です。

そんな思いを抱えてもがき苦しみながら、いつか花開くことを願って歩みを止めないすべての人を優しく包むようなトラック、一歩ずつでも前に進んで行くストーリー性のあるMVが、雨の日にやることもなく塞いだ気持ちやうまく行かない毎日に潰されそうな心を解きほぐしてくれるような一曲です。

「死ぬほど苦しんだら幸を与えてくれ」「空が代わりに涙流した日」というリリックから、もがき苦しんだからこそようやくたどり着いた「雨降って地固まる」感を感じます。

この曲は、SEEDAが幼少期を振り返りつつ、姉の死を乗り越える自らの人生をつづった、ある意味では彼の自伝のようなものなのだとか。曲から伝わってくる重みや葛藤、それらを抱えた前進感はそういったところからくるのかもしれません。

2020年1月にはこの楽曲を題材とした映画も公開されているようでうす。

BAD HOP 「Hood Gospel" feat. T-Pablow, Bark & YZERR」

3曲目はBAD HOPから。

川崎の不良たちのサクセスストーリーとしても注目を集めたBAD HOPの3作目のアルバム「BAD HOP WORLD」(2020年3月リリース)に収録されている「Hood Gospel" feat. T-Pablow, Bark & YZERR」は、彼らの成り上がりを歌った一曲。

「今だ雨風にHustlerは打たれてる」というT-Pablowのリリックにある通り、恵まれない状況のなかで育ってきた彼らが、その環境の中で様々な雨風に打たれながらも、自分たちの存在する意義や価値、人生の意味を見出そうとしている姿を感じます。そして、それが単純に金や名声といった安っぽいものではないということも。

雨風に対するこんな立ち向かい方もあるんだな、と思わせるような彼らの生い立ちと人生。「貧乏や差別、偏見への抵抗」というある意味では、本来のHip Hopマインドを感じるBAD HOPは一聴の価値ありです。

BenjazzyやYZERR、T-Pablowのレベルや活動ビジョンについては、呂布カルマも公式YouTubeで高く評価しています。

2023年5月27日に解散を発表したBAD HOP、最近では頭ひとつ抜けた存在感でした。メンバーそれぞれの、今後の活躍にも期待したいところです。

LIBRO 「雨降りの月曜日」

続いては完全にリリックからのセレクト、LIBRO 「雨降りの月曜日」。

2017年10月リリースの「祝祭の和音」に収録されたアルバムタイトルと真逆の一曲は、まるで雨の日の心境そのものです。「雨降りの月曜 はじまる原因不明の熱病」から始まるリリックにまず、「わかるわー」と引き込まれます。

耐えたり頑張ったりしながらも、雨降りのときくらいは後ろを向いたり立ち止まったり、休んでもいいよね、と自分を肯定されたような気分になります。

そんな受け止めもありながら、終盤には「泣いてばかりじゃない手掛かり 楽しまないなんて最低じゃない」「すげぇ暗い心に say good-bye」と、ちゃんと前向きなリリックに昇華していくあたりはさすが。

楽曲のテーマが重めなだけに、トラックに使用された音源は比較的軽めでシンプルな音で作り込まれたこの曲からは、計算して作り込まれた雰囲気さえも感じられます。

ラッパ我リヤ、餓鬼レンジャー、梅田サイファー、MU-TONなどに楽曲提供をする実力派のLIBRO、改めて要チェックではないでしょうか。

KREVA 「アグレッシ部」

最後は2007年リリースのKREVA「アグレッシ部」。シングルとしてもアルバム収録曲としてもエッジの効いたこの曲。聴く人を優しく包み込んで全肯定してくれるかのようなストレートなリリックやしっとりとしたサウンドが雨の日の憂鬱も、心に降る雨も、全部飲み込んでくれるかのようです。

KREVAといえば、KICK THE KAN CREWとしてデビューし紅白に出場するなど国民的Hip Hopアーティストであり、Hip Hopを日本国民に最もわかりやすく魅力的に、聴きやすく届けた一人ですね。ポピュラーな存在とはいえそのリリックの実力は、フリースタイルバトルで、圧倒的リリック力で殿堂入りしたR指定(Creepy Nuts)やフリースタイルモンスターの呂布カルマも舌を巻く実力も持ち合わせています。今の日本語ラップを確立した一人でもあるKREVAは、 日本語ラップを語るうえで避けては通れないレジェンドですね。

「アグレッシ部」の制作は、KREVAが「ラブカツ」という恋愛観察バラエティに出演したときに作曲を依頼されたことに由来します。

番組出演時に楽曲を依頼され、「ウキウキ」のお題を受けたKREVA。

そこからスタートしつつも、番組でも描かれた「告白したいけどなかなか行けない」という恋愛のモヤモヤやジメッとした部分も踏まえて、「相手のことも考えないでガンガン電話するがアグレッシブじゃない」という結論を導くあたり、さすがはKREVA。そのマインドを、より届きやすくするためによりシンプルにラップを磨いていった結果到達した「今日は俺が俺の味方」というリリック。そんなリリックはKREVAにしか吐き出せないのでは、と思います。

まとめ

本日は、雨の日に聴きたい日本語ラップ5選を紹介しました。

雨をぶち壊すようなダーティ&クールな曲から、雨の憂鬱ごと包み込んでしまうようなハートフルな曲まで紹介しましたが、その日の雨の様子やその日の気持ちによって聴いた印象も変わってくると思います。

色々な雨の日に、色々な日本語ラップを聴いて、ベストフィットを見つけてみてはどうでしょうか。

今回紹介した曲が、アナタの雨の日のお役に立てれば幸いです。

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