ビーフは、たいてい両者の応酬で成り立つ。だがこの一件は違う。RYKEY(現・RYKEYDADDYDIRTY)はInstagramのライブ配信などでYZERR(BAD HOP)への批判を繰り返し、2019年にはディス曲まで発表した。対するYZERRは、当時、楽曲で返さなかった。応酬の形を取らないまま残ったこの因縁は、4年後の2023年、別の騒動の中で再び表面化することになる。
| 当事者 | YZERR(BAD HOP) × RYKEY(現RYKEYDADDYDIRTY) |
|---|---|
| 勃発 | 2018年末〜2019年、RYKEYによるInstagramライブ配信などでの批判 |
| 発端 | RYKEY側からの一方的な批判。批判の具体的な動機は、本人が体系立てて説明した記録を確認できない |
| 応酬 | 2019年にディス曲「You Can Get Again」が発表されたが、YZERRからの楽曲でのアンサーは当時確認できていない |
| 決着 | 公式な和解は確認できていない。因縁は2023年の騒動で再燃した(別記事で扱う) |
| 型 | 一方向型(SNS/楽曲) |
繰り返された批判
2018年末から2019年にかけて、RYKEYはInstagramのライブ配信などで、BAD HOPのYZERRへの批判を繰り返したとされる。2023年の騒動を報じたぴあ音楽は、RYKEYについて「以前から一方的にYZERRに因縁を付けていた」と表現している。批判の場が楽曲ではなくライブ配信だったこと、そして相手が応じなかったことが、この一件の第一の特徴である。
「You Can Get Again」――届かなかった応酬

2019年、RYKEYは舐達麻のBADSAIKUSHとの共作EP『MARY JANE』を発表した。収録曲「You Can Get Again」は、YZERRへのディス曲として発表されたもので、BADSAIKUSHも客演で参加している。しかし、YZERRから楽曲でのアンサーは、当時、確認できていない。BAD HOPはこの時期、川崎から全国区へと駆け上がる最中にあり、応じないという選択が、そのまま彼らの態度表明になった。
| 日付 | 誰→誰 | 楽曲・媒体 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 2018年末〜2019年 | RYKEY → YZERR | Instagramライブ配信など | YZERRへの批判を繰り返したとされる |
| 2019年 | RYKEY × BADSAIKUSH → YZERR | 「You Can Get Again」/EP『MARY JANE』 | YZERRへのディス曲として発表。BADSAIKUSHが客演 |
| 2019年当時 | YZERR | ― | 楽曲でのアンサーは確認できていない |
| 2023年9〜10月 | 双方ほか | イベント現場・Instagramライブ配信 | 因縁が再燃し、BAD HOPと舐達麻の衝突へ連なった(YZERR本人が経緯を説明) |
4年後の再燃

決着しないままの因縁は、2023年に表へ出た。同年9月23日のイベント「THE HOPE 2023」のアフターパーティで、RYKEYとYZERRの間に争いが起きたとされる。さらに10月22日のフェス「AH1」では、BAD HOPと舐達麻の間で衝突があり、BAD HOPの出演がキャンセルになった。YZERRは10月24日のInstagramライブ配信で一連の経緯を自ら説明し、その中で、2019年のディス曲に客演していたBADSAIKUSHが裏でRYKEYをけしかけていたと自分は考えている、とも述べている。これはYZERR側の認識であり、BADSAIKUSH側の説明とは限らない。この2023年の応酬については、別記事「YZERR vs BADSAIKUSH」で扱う。
このビーフの位置づけ
この一件は、SNS時代のビーフの原型の一つである。批判の主戦場は楽曲ではなくライブ配信で、相手は応じず、応酬は成立しない。それでも因縁は消えず、数年後に現実の衝突の遠因として名指しされることになった。「返さない」ことが必ずしも終わりを意味しない――そのことを示す記録として、本年表に残す。なお、本記事の確認時点(2026年11月3日)で、両者の公式な和解は確認できていない。
音源について
「You Can Get Again」は各種配信で聴くことができるが、本記事では公式の埋め込み・リンクを確認できた範囲に限るため、リンクは置いていない。
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出典・確認日
本記事の事実関係は、ぴあ音楽の報道(2023年10月、YZERR本人の説明と「You Can Get Again」の位置づけ)、ねとらぼの報道、HIPHOPCsのBADSAIKUSHプロフィール(EP『MARY JANE』2019年)を中心に、2026年11月3日に確認した。発生日の正確な日付が確認できないため、本記事の発生日は空欄とした。
