ディス曲のタイトルは「サ上死ね」。返ってきたアンサーのタイトルは「サ上、死んだってよ。」だった。2014年、無名に近い若手ラッパーdodoがサイプレス上野に仕掛けたビーフは、相手のユーモアあふれる即答によって、「エンターテインメント型ビーフ」の代表例として語り継がれることになった。
| 当事者 | dodo × サイプレス上野 |
|---|---|
| 勃発 | 2014年、dodo「サ上死ね」(正確な発表日は確認できていない) |
| 発端 | クラブで起こった行き違い |
| 応酬 | サイプレス上野が即座に「サ上、死んだってよ。」でアンサーし、dodoも応じた |
| 決着 | 応酬は2014年のうちに完結。dodoの知名度は飛躍的に高まった一方、本人は大きな代償も払った |
| 型 | 楽曲応酬型(エンタメ型) |
クラブでの行き違いから

dodoは1995年生まれ、川崎出身のラッパーで、高校生ラップ選手権(BAZOOKA!!)への出場を経て活動していた当時19歳前後の新進だった。2014年、クラブで起こった行き違いをもとに、サイプレス上野をディスする楽曲「サ上死ね」を制作・発表した。サイプレス上野は当時すでに、サイプレス上野とロベルト吉野としての活動やMCバトルでの活躍で知られた存在であり、格下の若手からの挑戦だった。
「サ上、死んだってよ。」――即答の美学
サイプレス上野の返しは速く、そして笑いを伴っていた。アンサーのタイトルは「サ上、死んだってよ。」。大ヒット映画『桐島、部活やめるってよ』のもじりであり、「死ね」という強烈なディスを、日常の噂話のような口調に変換して受け流してみせた。dodoもこれに応答し、応酬は完結した(dodoの応答曲のタイトルは資料により表記が揺れるため、本記事では記さない)。
| 時期 | 誰→誰 | 楽曲・媒体 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 2014年 | dodo → サイプレス上野 | 「サ上死ね」 | クラブでの行き違いをきっかけに制作されたディス曲 |
| 2014年 | サイプレス上野 → dodo | 「サ上、死んだってよ。」 | 即座のアンサー。映画タイトルをもじったタイトルで笑いに変えた |
| 2014年 | dodo → サイプレス上野 | 応答曲(曲名は資料により表記が揺れるため不記載) | dodoも応じ、応酬は完結した |
勝者なき後日談――dodoが払った代償

このビーフは大きな話題となり、dodoの知名度は飛躍的に高まった。しかし代償もあった。Wikipediaや本人の後年のインタビューによれば、dodoはネットで不特定多数から激しい批判を受け、楽曲制作が滞るスランプに陥って、ラッパーとしての活動を一度終えた。本人は「とあるラッパーさんへのディス曲をきっかけに完全なスランプになった」と振り返っている。
それでもdodoは音楽をやめなかった。活動再開後の2017年の楽曲「swagin like that」は、ビーフ以降に感じた思いをラップにしたものとされる。2019年には1stアルバム『importance』を発表し、FUJI ROCK FESTIVAL '19のROOKIE A GO GOステージにも出演。ビーフの「その後」まで含めて、この一件は若手ラッパーの成功と挫折と再起の物語になっている。
このビーフの位置づけ
憎しみではなく笑いで返す。サイプレス上野のアンサーは、ディスを受け止めてエンターテインメントに変換する技術の見本として、ポップカルチャーメディアのKAI-YOUなどで「エンタメ型ビーフ」の代表例に挙げられてきた。対照的に、仕掛けた側のdodoが受けたダメージの大きさは、SNS時代のビーフの非対称性を物語る。本記事の確認時点(2026年11月3日)で、両者の和解や共演の公式発表は確認できていない。
音源について
「サ上死ね」の動画は現在視聴できる状態を確認できず、「サ上、死んだってよ。」の動画も公式アップロードと断定できなかったため、本記事には埋め込み・リンクを掲載していない。
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出典・確認日
本記事の事実関係は、Wikipedia「Dodo (ラッパー)」、CINRAおよびKENDRIXに掲載されたdodoのインタビューを中心に、2026年11月3日に確認した。各曲の正確な発表日は資料で確認できなかったため、発生日は空欄とし、本文では2014年の出来事として記載した。
