若手が大御所を名指しで批判する。その理由が、憧れていた先輩のライブへの失望だったとしたら――。2013年、NORIKIYOはアルバム『花水木』の中でZeebraへのディス曲「Go Home」を発表した。Zeebraからの楽曲でのアンサーはなかったが、この一件は「世代間の緊張」を可視化したビーフとして記憶されている。
| 当事者 | NORIKIYO × ZEEBRA |
|---|---|
| 勃発 | 2013年12月13日、アルバム『花水木』収録「Go Home」 |
| 発端 | 2013年8月のイベントで観たZeebraのライブへの失望(NORIKIYO側の受け止め) |
| 応酬 | ZeebraはTwitterで反応したが、楽曲での名指しアンサーは確認できていない |
| 決着 | NORIKIYOが翌年のアルバムで「ケジメ」を宣言し、沈静化した |
| 型 | 一方向型 |
きっかけは、雨の日のライブだった
2013年8月24日、広島・福山で開かれた「ROSEINFECTION 野外音楽祭 2013」は雨天で中止となり、出演者はクラブでの代替開催に集まった。NORIKIYOとZeebraも出演者として名を連ねていた。NORIKIYOは後に、この日のZeebraのライブに失望したことを楽曲の中で語っている。買って聴いていた憧れの先輩だからこそ、期待との落差が大きかった――というのが、NORIKIYO側の説明である。
「Go Home」――名指しの告白

2013年12月13日に発売された4thアルバム『花水木』で、「Go Home」は発表された。直前のスキット「ただいま帰りました ~Skit~」が文脈を作り、「Go Home」の1バース目がZeebraに向けられる。翌12月14日、NORIKIYOは公式Facebookで「『Go Home』の1バース目はKING、ZEEBRA先生へのバースです」と自ら明かし、この曲は「だめだこりゃと思う人たちに『ステージから降りて家に帰って出直して来い』というメッセージ」だと説明した。そして「ZEEBRA先生からのお返事を待ってます」と書き添えた。
NORIKIYO「Go Home」(収録アルバム『花水木』)をApple Musicで聴く
※本記事のApple Musicリンクはアフィリエイトリンクです。
| 日付 | 誰→誰 | 楽曲・媒体 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 2013年8月24日 | ― | 「ROSEINFECTION 野外音楽祭 2013」(福山) | 雨天中止で代替開催。両者が出演。NORIKIYOはZeebraのライブに失望したと後に述べている |
| 2013年12月13日 | NORIKIYO → ZEEBRA | 「Go Home」/『花水木』 | 1バース目がZeebraへの名指しディス |
| 2013年12月14日 | NORIKIYO | 公式Facebook | 「ZEEBRA先生へのバース」だと明言し、返事を待つと述べた |
| 2013年12月 | ZEEBRA | 反応はあったが、楽曲での名指しアンサーは確認できていない | |
| 2013年12月29日 | NORIKIYO | 川崎CLUB CITTA' 25周年イベント | 新たなディス曲をライブで披露したと報じられた |
| 2014年7月25日 | NORIKIYO | 『雲と泥と手』 | 「衝突の価値」「で、誰だっけ?」でこの件に区切りをつけた |
返事は来なかった――そして「ケジメ」

ZeebraはTwitterで反応したものの、RAU DEFの挑戦に翌日アンサーで応じた2011年のような展開にはならなかった。2014年7月25日、NORIKIYOは5thアルバム『雲と泥と手』を発表し、「衝突の価値 ~Interlude~」「で、誰だっけ?」でこの一件を振り返った。インタビューでNORIKIYOは、ビーフは一過性で何も残らないと感じたこと、前作の件への「ケジメ」として「自分はもうそういうところじゃない」と伝えたかったことを語っている。また「で、誰だっけ?」はZeebra個人ではなく、スタイルを更新しない先輩たち全般に向けた曲だとし、『花水木』へのアンサーを「いて欲しかったが、ひとりもいらっしゃらなかった」とも述べている。
このビーフの位置づけ
この一件は、ディスの動機が「憎しみ」ではなく「失望」にあった点で異色である。世代の交代をめぐる緊張――昔の余力だけで生きるレジェンドへの若手の苛立ち――を、NORIKIYOは名指しで言語化した。応酬としては完結しなかったが、「大御所は更新し続けなければならない」という問いは、その後のシーンでも繰り返し現れる。本記事の確認時点(2026年11月3日)で、両者の和解や共演の公式発表は確認できていない。
音源について
「Go Home」の公式YouTube動画は確認できなかったため、本記事ではApple Musicへのリンクのみを掲載した。
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出典・確認日
本記事の事実関係は、NORIKIYO公式Facebookの投稿(2013年12月14日)、Amebreak「2013年国産HIP HOP振り返り座談会」、MUSICSHELFのNORIKIYOインタビュー(『雲と泥と手』発売時)、Wikipedia「NORIKIYO」を中心に、当時の記録を集めたビーフまとめ記事も参照して、2026年11月3日に確認した。楽曲内で述べられたZeebraのライブへの評価は、NORIKIYO側の主張・感想として記載した。
