HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!
まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。
既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。
-サンプリング wikipediaより引用
要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。
「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。
この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。
「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。
ってことで、第60回目はスチャダラパーの第3弾です!
登録138件の山はまだ半分も掘れていません。第3弾は「給料10万円節」から「後者」まで、7曲です。
前編は第15回 スチャダラパー 編、後編は第56回 スチャダラパー 後編です。
スチャダラパーの曲を元ネタと比較してみましょう
スチャダラパー / 給料10万円節
スチャダラパー側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
Ronnie Laws - Always There
元ネタは、Ronnie Lawsの「Always There」。
サックス奏者のジャズ・フュージョンの名曲。サラリーマンの悲哀を歌う前に、この涼しい風です。続編「給料11万円節」もあります。
Ronnie Laws - Always There
スチャダラパー / ノーベルやんちゃDE賞
スチャダラパー - ノーベルやんちゃDE賞
The Emotions - Blind Alley
元ネタは、The Emotionsの「Blind Alley」。
あのイントロのギターは、Big Daddy Kane「Ain't No Half-Steppin'」でも使われた大ネタ。やんちゃな賞の下に、ヒップホップ史の定番です。
The Emotions - Blind Alley
スチャダラパー / ついてる男
スチャダラパー側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
Roy Ayers - The Boogie Back
元ネタは、Roy Ayersの「The Boogie Back」。
ヴィブラフォンの帝王のジャズ・ファンク。「ついてる」感覚の源は、このご機嫌なグルーヴでした。
Roy Ayers - The Boogie Back
スチャダラパー / サマージャム'97
スチャダラパー側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。'95(第15回)、'96(第56回)に続く夏のシリーズ第3弾です。
The Moments - Lovely Way She Loves
元ネタは、The Momentsの「Lovely Way She Loves」。
スウィート・ソウルの名グループ。第3弾の夏は、ジャズ、ファンクと来てソウルで涼みます。
The Moments - Lovely Way She Loves
スチャダラパー / CARFRESHNER
※元ネタ登録は10件の複合ネタで、代表として1つを紹介します。
スチャダラパー - CARFRESHNER
Herman Kelly & Life - Dance to the Drummer's Beat
元ネタの代表は、Herman Kelly & Lifeの「Dance to the Drummer's Beat」。
タイトル通りのドラムブレイクの古典。車の芳香剤の曲に、ファンクの心臓部です。
Herman Kelly & Life - Dance to the Drummer's Beat
スチャダラパー / スチャダランゲージ ~質問:アレは何だ?~
スチャダラパー - スチャダランゲージ
Larry Young's Fuel - Spaceball
元ネタは、Larry Young's Fuelの「Spaceball」。
オルガンの名手Larry Youngのバンドによる宇宙的ジャズ・ファンク。「アレは何だ?」の答えは、宇宙でした。
Larry Young - Spaceball
スチャダラパー / 後者-The Later
※元ネタ登録は3件の複合ネタで、代表として1つを紹介します。
※スチャダラパー側の音源は埋め込み可能な動画がなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
Skull Snaps - It's A New Day
元ネタの代表は、Skull Snapsの「It's A New Day」。
第56回「今夜はブギー・バック」と同じネタ。同じドラムで、ヒット曲と初期の実験曲の両方が生まれる。サンプリングの面白さが一番出る使い比べです。
Skull Snaps - It's A New Day
最後に
スチャダラパー第3弾の元ネタは、Ronnie Laws、The Emotions、Roy Ayers、The Moments、Herman Kelly & Life、Larry Young's Fuel、Skull Snapsという布陣でした。
138件のうち3回で掘ったのはまだ一部。それでも、ジャズ、ソウル、ファンク、歌謡、レゲエ、フレンチ・ポップと、SDPの食欲の広さは十分伝わったはずです。
ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!