HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!
まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。
既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。
-サンプリング wikipediaより引用
要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。
「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。
この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。
「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。
ってことで、第59回目は後編ラインの第18弾、第18回で扱った世田谷のクルーKANDYTOWNの後編です!
前編では「Get Light」「LEGACY」などを掘りました。ネタ帳の登録は42件、後編は代表曲「R.T.N」を含む7曲です。
前編は第18回 KANDYTOWN 編です。
KANDYTOWNの曲を元ネタと比較してみましょう
KANDYTOWN / R.T.N
1stアルバム収録の代表曲。
KANDYTOWN - R.T.N
Midnight Star - I've Been Watching You
元ネタは、Midnight Starの「I've Been Watching You」。
80年代エレクトロ・ファンクのきらめき。KANDYTOWNの都会的な夜の質感は、ここから来ています。
Midnight Star - I've Been Watching You
KANDYTOWN / HND
KANDYTOWN - HND
The Lovelites - Got To Be There
元ネタは、The Lovelitesの「Got To Be There」。
シカゴのスウィート・ソウル。甘いコーラスの下敷きが、HNDのメロウさを支えます。
The Lovelites - Got To Be There
KANDYTOWN / 1time4ever
2018年の配信シングル。
KANDYTOWN - 1time4ever
Ray, Goodman & Brown - How Can Love So Right (Be So Wrong)
元ネタは、Ray, Goodman & Brownの「How Can Love So Right (Be So Wrong)」。
元The Momentsの3人による大人のソウル。「愛は永遠」というタイトルに、この円熟が重なります。
Ray, Goodman & Brown - How Can Love So Right
KANDYTOWN / LOCAL AREA
KANDYTOWN - LOCAL AREA
Dionne Warwick - Déjà Vu
元ネタは、Dionne Warwickの「Déjà Vu」。
地元を歌う曲の下敷きに、ポップ・ソウルの女王の円熟。「地元」テーマと「既視感」というタイトルの響き合いも面白いところです。
Dionne Warwick - Déjà Vu
KANDYTOWN / HIS GAME
ライブ映像でどうぞ。
KANDYTOWN - HIS GAME (LIVE)
Isaac Hayes - Bumpy's Lament
元ネタは、Isaac Hayesの「Bumpy's Lament」。
映画「シャフト」のサントラから。第18回の「LEGACY」で紹介した「Glory Box」の源流もIsaac Hayesでした。KANDYTOWNのネタ帳は、繰り返しこの巨人に行き着きます。
Isaac Hayes - Bumpy's Lament
KANDYTOWN / Skweez Me
KANDYTOWN - Skweeze Me
石川ひとみ - 他人どうし
元ネタは、石川ひとみの「他人どうし」。
KANDYTOWNの登録42件で、唯一の日本の歌謡曲ネタ。世田谷のクルーが掘った「和モノ」はこれでした。
石川ひとみ - 他人どうし
KANDYTOWN / Twentyfive
KANDYTOWN側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
Cal Tjader - Morning
元ネタは、Cal Tjaderの「Morning」。
ラテン・ジャズのヴィブラフォン。後編の締めは、この朝の光のような1曲で。
Cal Tjader - Morning
最後に
KANDYTOWN後編の元ネタは、Midnight Star、The Lovelites、Ray, Goodman & Brown、Dionne Warwick、Isaac Hayes、石川ひとみ、Cal Tjaderという布陣でした。
エレクトロ・ファンク、スウィート・ソウル、和モノ歌謡、ラテン・ジャズ。世田谷の夜のドライブ感は、この選曲の幅でできていました。登録はまだ残っているので、第3弾もいずれ。
ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!