日本語ラップの元ネタを探せ! 第5回 舐達麻!!!

HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!

まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを説明しましょう。

既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。あくまで曲の一部分を引用するだけなので、基本的な歌詞やメロディーラインをそのままなぞるカバーやアレンジとは別物である。

-サンプリング wikipediaより引用

とまとめられています。わかりやすいですね!

要するに"音や歌詞の一部分を使うことによって、既存の曲から新しい音楽を作る"ってことですね。

よくパクリだ!と騒がれたりするので境界線が非常に難しい問題でもあるのですが、HIPHOPのカルチャーですから元の作品に対しての"リスペクト"を込めた上でのものだと思います。

まぁ、カッコ悪かったらわざわざそれを取り入れようなんて思わないですよね笑

今ではHIPHOP以外でも取り入れられるようになったサンプリングですが、その起源はもともとは"DJ Kool Herc"による二枚のレコードを使ったブレイクタイムの無限ループによってお客さんを盛り上げたのが最初と言われています。

"お客さんのために"という精神から始まっているようですね!

この記事ではいろんなアーティストの曲の元ネタとなったサンプリング元の曲を探っていきます。

それを知ることによってこの曲のこういうところを編集してトラックを作っているのか!というところで勉強になったりすると思います。

アーティストや曲について深く知ってよりHIPHOPカルチャーを理解していきましょう!

ってことで、第5回目は舐達麻の元ネタを探っていきましょう!

舐達麻の曲を比較してみましょう

100MILLIONS (REMIX) (2019) Produced by GREEN ASSASSIN DOLLAR

2019年にリリースされた舐達麻 2ndアルバム「GODBREATH BUDDHACESS」からの人気曲です。

舐達麻の曲といえば?で真っ先に思い浮かべるのはこの曲だって人も多いのではないでしょうか?

プロデュースは、GREEN ASSASSIN DOLLAR (グリーン・アサシン・ダラー)

舐達麻のリーダー、BADSAIKUSH (バダサイ)がビートの方向性を決めるらしいのですが、

そのバダサイいわく、「GREEN ASSASSIN DOLLARの作るビートは余裕で日本一」だそうです。

100MILLIONS (REMIX) (2019) Produced by GREEN ASSASSIN DOLLAR

そんな100MILLIONSの元ネタはこちら。

英国のシンガーCharlene Soraia (シャーリーン・ソライア)のヒット曲「Wherever You Will Go」から。

彼女はLAのロックバンドThe Calling(ザ・コーリング)の「Wherever You Will Go」をカヴァーし、英国のシングルチャート3位まで上り詰め、一躍有名になりました。

ということは、実はこの曲もカヴァーなんですね笑。

Charlene Soraia – Wherever You Will Go (2011)

元ネタの元ネタも探りましょうか笑

こちらはアメリカのロックバンドThe Callingで「Wherever You Will Go」です。

Charlene Soraiaのがゆったりとした印象だったのに対して、こちらはアメリカのロックバンドらしく、力強いサウンドになっています。

この曲から回り回って100MILLIONS (REMIX) が生まれたとなると、考えるとすごく感じるものがありますね。

もしかするとCharlene Soraiaがこの曲をカヴァーしてなかったら生まれてなかったかもしれない?いや、GREEN ASSASSIN DOLLARなら自分でサンプリングして作り出すかも?色々想像すると面白いなと思います。

The Calling – Wherever You Will Go (2001)

舐達麻 – FLOATIN’

舐達麻の亡くなったメンバーである、1.0.4(とし) のことを歌っています。

この曲をよく聞けばわかるのですが、この曲の内容はその当時のことを詳細に歌っているのです。

繊細なビートがBADSAIKUSHとDELTA9KIDの後悔の念や様々な想いを表しているようです。

ちなみに余談ですが、ニートtokyoにDELTA 9 KIDが出演した際に少し触れられています。

それらを踏まえて聴くと、ぐっとこみ上げてくるものがあります。

舐達麻 – FLOATIN’

この曲の元ネタは、Gigi Masin – Clouds

イタリアの音楽家ジジ・マシンが1989年にリリースした傑作アルバム『Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2』からの一曲です。

実はこの曲が入っている『Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2』は、ほんとに2015あたりまでyoutubeに音源が数曲上がっているだけで、デジタルもなければCDもほとんど流通していなかったというまぁまぁレアな盤なのですが、サンプリングネタとしては人気が高く、BjorkやNujabes、Moominもサンプリングに使っているのがこの「Clouds」という曲なのです。

まさに知る人ぞ知るってやつですね!

他の曲も名曲ぞろいなので、ぜひapplemusicなどのサブスクで聴いてみてください。

Gigi Masin – Clouds (1989)

DAYDREAM / ANARCHY & BADSAIKUSH (prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)

2020年10月8日にyoutube上でMVが公開された「DAYDREAM」は、舐達麻の楽曲を数多く手がけるGREEN ASSASSIN DOLLARがプロデュースし、ANARCHYとBADSAIKUSH(舐達麻)がそれぞれの生き様をなめらかなフロウに乗せてうたっている曲です。

MVの撮影は舐達麻の「100MILLIONS(REMIX)」の映像も手がけたSpikey Johnが担当しています。

この曲の元ネタは「DaniLeigh – Easy」
アメリカはマイアミ出身のシンガー・ラッパー・ダンサー・振付師と幅広い活躍を見せるアーティストである"DaniLeigh"ことDanielle Leigh Curielの曲です。

この曲はChris BrownをフィーチャリングしたRemixの方が有名かもしれません。

R&Bスロウ・ジャムの曲であり、ロマンチックな恋愛の様を歌った非常に情緒的な曲です。
ぜひこちらも聞いてみてください!

You Can Get Again / RYKEY × BADSAIKUSH (prod.Fezbeatz)

この曲は結構話題になりましたね。記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?
有名な川崎のクルーであるBADHOPのYZERRと、八王子のラッパーRYKEYのBEEFの中、発表された曲です。
詳しい経緯は他の方がまとめているので、ぜひそちらの記事を見ていただきたいですが、正直YZERR有利か?となっていたこのBEEFにおいて、この曲の発表で一気にRYKEY側に支持が集まったという経緯があります。

この曲の元ネタは「Anita Baker/Angel」

80年代クワイエット・ストームを牽引したシンガー、アニタ・ベイカーとプロデューサー、マイケル・J・パウエルが在籍した伝説的グループ「Chapter 8」。
その「Chapter 8」を離れたアニタ・ベイカーが、1983年にリリースしたファースト・ソロ・アルバム「THE SONGSTRESS」の1曲目がこの曲。
まだこの頃はブレイク寸前だったため、全体的に初々しさに満ちているところが印象的ですね。
余談だが、このアニタ・ベイカーのアルバムはジャケ画がいつかのタイミングで差し替えられているんです。
初期は売れる前の写真。差し替えられたのは売れた後の写真。そこまで注目して見てみるとまた違ったものが見えて面白いと思います。

LifeStash / 舐達麻 (prod.7SEEDS)

「たかだか大麻 ガタガタぬかすな」
これぞ舐達磨だ!という印象的なパンチラインはこの曲で歌われています。
このトラックは7SEEDSが作ったものですが、長きにわたって元ネタがわからず、「もしかして1からトラック作ったのか?」などと噂されていました。

この曲の元ネタは、フィリピン系アメリカ人シンガー・ソング・ライター兼プロデューサー、エレノア・アカデミアのファースト・アルバム"Jungle Wave"からの一曲。
誰もが知っているStevie Wonderのバッキングに参加した後に、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのバンドリーダーであるモーリス・ホワイトのオファーを振って華々しくデビューしたという異端の経歴を持つのが彼女。
その彼女の曲を、まさかの逆再生で使用するというのがさすがのセンスですね。
この曲も素晴らしので是非聴いてみてほしいです!

最後に

舐達磨といえば日本語ラップ界隈でもかなり注目度の高いラッパーですよね!

埼玉県熊谷市を拠点として、メロウなビートにイリーガルなリリックのラップを乗せるアンバランスさがいいのだと思います。

また機会があれば次回特集を組んで第二回をしようと思いますので、この記事がおもしろかったらぜひ次回をお楽しみください!

ではまた次回お会いしましょう!!

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