日本語ラップの元ネタを探せ! 第4回 KICK THE CAN CREW!!!

HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!

まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを説明しましょう。

既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。あくまで曲の一部分を引用するだけなので、基本的な歌詞やメロディーラインをそのままなぞるカバーやアレンジとは別物である。

-サンプリング wikipediaより引用

とまとめられています。わかりやすいですね!

要するに"音や歌詞の一部分を使うことによって、既存の曲から新しい音楽を作る"ってことですね。

よくパクリだ!と騒がれたりするので境界線が非常に難しい問題でもあるのですが、HIPHOPのカルチャーですから元の作品に対しての"リスペクト"を込めた上でのものだと思います。

まぁ、カッコ悪かったらわざわざそれを取り入れようなんて思わないですよね笑

今ではHIPHOP以外でも取り入れられるようになったサンプリングですが、その起源はもともとは"DJ Kool Herc"による二枚のレコードを使ったブレイクタイムの無限ループによってお客さんを盛り上げたのが最初と言われています。

"お客さんのために"という精神から始まっているようですね!

この記事ではいろんなアーティストの曲の元ネタとなったサンプリング元の曲を探っていきます。

それを知ることによってこの曲のこういうところを編集してトラックを作っているのか!というところで勉強になったりすると思います。

アーティストや曲について深く知ってよりHIPHOPカルチャーを理解していきましょう!

ってことで、第4回目はKICK THE CAN CREWの元ネタを探っていきましょう!

KICK THE CAN CREWの曲を比較してみましょう

ONE WAY

この曲につけられていた仮タイトルは「スペイン」だそうです。

KREVAがこの曲について語った雑誌のインタビューでは、「生ギターのサンプリング使った"俺の一本道”的な世界を出している曲、ラブソングでもある」と語っています。

フックのメロディーラインがクセになる曲ですよね!

ONE WAY

この曲のサンプリング元ネタは、英国バーミンガム出身のギターMICKとベースSTEVEのDOLAN兄弟を中心に、ドラムのMICK CARLESSとともに69年に結成されたハード・トリオ・バンドHARD MEATよりFREE WHEEL。

アコギに 畳み掛けるリズムのGROOVY ROCK "Freewheel"は心地よいグルーヴ感が最高。

多分聞けば一発で「あ〜」となること間違いなし!

Hard Meat / Free Wheel

性コンテニュー

“性”というから"やらしい系の曲"なのかなと思ったら“さが”と読みます。

子供のコーラスも入っており、家族で聞いても多分気まずくない系の曲です。笑

今はすでに解決済みですが、何やら権利関係でもめたこともある曲のよう

あとは、FUNKY GRAMMAR UNITに所属するKREVAとDJ TATSUTAによるプロデュース・ユニットのプロデュース作品ですね!!

性コンテニュー

この曲の元ネタは、70年代半ば〜80年代初頭までウエザー・リポートで活躍していた伝説のジャズ・ベーシスト、ジャコ・パストリアスの人気曲、Liberty Cityから。

ベースのファンキーなグルーヴ感とビッグ・バンドが一体化した、心地よい1曲です。

JACO PASTORIUS / Liberty City(feat. Herbie Hancock)

クリスマスイブ・ラップ

KICK THE CAN CREWでは唯一のクリスマスソング。

季節ものということで、長くオリジナルアルバムには収録されなかったが、2003年のベストアルバム『BEST ALBUM 2001-2003』でようやく収録された。

また、この曲はデジタル配信の腰もすごく重く、なぜか2017年11月8日まで配信されなかった。

なので、この曲はKICKの代表曲とも言える曲にも関わらず、KICKが2017年に再結成されるまで、音源の入手が困難なレア曲だったのです。

クリスマスイブ・ラップ

まぁ、もはや元ネタを紹介するまでもないでしょう。笑

KICKのクリスマスイブ・ラップはまさかの山下達郎氏のクリスマス・イブをまんまサンプリングしてると言っても過言ではないような曲。

その昔、"スケボーキング"というミクスチャー・ロックバンドのグループが、小田和正氏の大ヒット曲、「ラブストーリーは突然に」を大胆にサンプリングしたパーティーチューンを出し、話題になりましたが、当時はそれを超えるぐらいの衝撃がありました。

山下達郎 / クリスマス・イヴ

マルシェ

KICKといえばこの曲!って方も多いですよね。

曲名の由来は『ハウス食品の「カレーマルシェ」のような感じだったから』という、わかるようなわからないような理由。笑

ナインティナイン・岡村隆史主演の香港ムービー、「無問題2」の主題歌でもあり、この曲で第53回NHK紅白歌合戦に初出場を果たしました。

上がってんの?下がってんの?皆はっきり言っとけ!(上がってる!)

のフックはヘッズなら知らない人いないんじゃないでしょうか?

マルシェ

この曲の元ネタはアルゼンチンを代表するクンビア・グループからAtlantico。聞けばこれもわかりやすいサンプリングです!

1987年リリースのレコード名盤。エレクトリック・ピアノなんかも入ってる洒落たインスト・チューン。

他のサイトで、よく元ネタは平子理沙 - Walk This Way(CASSETTE VISION MIX)だと書かれていますが、単純に平子理沙さんがエアロスミスの名曲『WALK THIS WAY』をカヴァーした"DON'T WALK THIS WAY"のミニアルバムにKICKが参加し、マルシェのフックをKREVAが使ってラップしているだけなので、お気をつけください!

まぁ、この平子理沙さんのミニアルバム自体は廃盤なのと、デジタルにもなってないので、KICKファンとしては手に入れて聞く価値はあると思います!

Los Wawanco Atlantico

最後に

今回はKICK THE CAN CREWの元ネタを探っていきました!

いかがでしたでしょうか?

多分今30~35歳ぐらいの方はドンピシャなのではないでしょうか?

タカオニ・カンケリの衝撃、そして突然の活動休止、2014年の復活。そして2017年の再結成と、話題が尽きないグループですが、これからも動向をチェックしていきたいと思います!

ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!

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