COSAとは?
皆さんはCOSA(コーザ)をご存知でしょうか?
Chiryu-YonkersやCOSA×KID FRESINOとしての活動が有名なラッパーですね。
COSAは愛知県出身で1987年生まれ、中学時代にはすでに「ラッパーになる」と豪語し、卒業文集にも書き記していた男です。
姉の影響で「ウェッサイ」を好んだというCOSAは、次第にニューヨークラップなどに傾倒していきます。
「ウェッサイ」とはロサンゼルスの西側「West Side」を意味し、ギャングのリアルな生活をリリックにしたギャングスタ・ラップが主流のジャンルです。
そういった音楽的志向は、M.O.S.A.D.やANARCHYといった日本のギャングラッパーにも向けられ、生まれも育ちもHIP HOPと言わんばかりのCOSA。
幼少期には力こそすべてで、力で周りを牛耳っていた彼も、いしか大人になり地元を愛する思いから、今尚地元に住み続けているHIP HOPマインドの持ち主でもあるといいます。
自然に心に溢れてくること、心の中にあること、自らの中にある真実を語ること。
そんな信条に突き動かされたCOSAのラップ、さっそくおすすめの曲を聴いていきましょう。
COSA おすすめの曲7選
LOVE (Prod by jjj)/COSA×KID FRESINO
ギャングスタ・ラップを好んだというCOSAが奏でる優しさや温かさが詰まった一曲「LOVE」(2016年)。
子供の頃、暴力にまみれたCOSAが「みんな俺の暴力が嫌だったのか」と気がついて改心したというエピソードがあります。
そういった素直さや優しさ、純粋さがあふれたこの曲は間違いなくCOSAの代表曲ですね。
等身大の若者の想いが詰まった、まるで同窓会のワンシーンのようなラップも聴きごたえ十分です。
人それぞれに人ぞれぞれの想いや理由があって、人それぞれの愛情を持って生きています。
ほんの少しだけ誰かにやさしくしたくなるようなこの曲は、間違いなく名曲ですね。
常に心にLOVEを持って生きたいものです。
Swing at somewhere feat. コトリンゴ (Prod by jjj)/COSA×KID FRESINO
ムーディーなトラックが印象的な「Swing at somewhere」。
何気ない日常や労働、晴れの日としてパーティーに出かける日。
そんな毎日の中に見え隠れする喜怒哀楽や人生の機微と、それには見向きもしないその他大勢のすれ違う街の様子が伝わってきます。
それは誰にとっても当たり前の光景で、「手の届く範囲の中で一喜一憂する、それが人生さ」という生活感が心に沁みますね。
リアルな毎日が見え隠れするラップも、ある意味ではギャングスタ・ラップの醍醐味なのだと思います。
ドープなラップに飽きたり疲れたときには、こんなラップでゆったりしてもいいのかもしれませんね。
「ナイスな夜」のお供にどうそ。
Word for C-City/Chiryu-Yonkers
続いては「Word for C-City」。
トラックがあって当たり前、という固定観念を覆すアカペラ・ラップ。
伝えたいことだけをシンプルに伝えることを信条にしているCOSAならではの選択ですね。
まるでCOSAの日記のようなこの曲は、静かに自分を見つめ直したくなった夜にじっと聴き込んでみてもいいのかもしれません。
余計なものは要らないのかもしれません、心がひとつあるだけで十分なのだと信じたくなる一曲でした。
Mikiura feat. KID FRESINO
まるで未来の自分への手紙のような「Mikiura」。
今を乗り切るしかない、そんなときに自然にあふれる想い。
流れ出した思いは自分を飲み込み、そっと抱きしめてくれます。
新しい何かをはじめた人、今何もやる気が起きない人、悲しみや苦しみの真ん中にいる人。
一度、この曲を聴いてみてください。
そして、ずっと先の、少し先の、明日の自分に手紙やメッセージを送ってみてはどうでしょう。
「自分が自分を信じてあげられなくなったら、自分が可哀そう」、そんな大切で忘れがちなことが蘇ってくるこの曲も名曲と言っても過言ではありません。
Sunday Freestyle feat. 仙人掌 & JJJ
一週間のはじまりである日曜日。
明日からまたスタートするウイークディに想いが向かないなら、この曲を聴きながらセルフフックアップをしてみませんか。
心の中に「自由」を据えて毎日のどこかに「Freestly」をねじ込んで、自分を解放したり自分らしく生きていくことはとても重要なことです。
押し流されてなすがままにされるだけでは息苦しい毎日ですから、形にならない思い出も形に押し込めて吐き出していいのだと思わせてくる一曲。
COSAが発信する、ひそやかな前向きメッセージを心の中にしまっておきたいと思います。
知立Babylon Child
HIP HOPを生業にする者の心の根底にある反骨心。
権力に、権力の犬に、権力を振りかざす代行者に、何かに対する漫然とした不満を根源にしてきたラップ。
そんなラッパーの父親が警察官だったらどうでしょう。
なんと、COSAの父親は警察官でした。
そんな自分自身の葛藤や父への想いを赤裸々に詰め込んだ「知立Babylon Child」は、人間「生きる」に詰まった行き場のない感情や矛盾の行き場なのかもしれません。
POP KILLERS feat. ralph
最後は、これまでの曲とは一線を画したハードでタフな「POP KILLERS」。
「俺は信念を持ってHIP HOPをやっているラッパーだ」という想いを高らかに宣言し、「お遊びでラップしてるわけじゃねぇ」と自らにも言い聞かせるような一曲です。
大きくて深い愛情や自分語りの奥底には、このように強く尖った信念があるのですね。
ファッションやパフォーマンスという上辺だけで生きていくことへの強烈な反骨心、ときには必要な力です。
こういった気持ちをときどき思い出して、自分自身の行動や心を律していくことを思い出せてくれるこの曲は、ある一定のサイクルで聴き続けたい訓示でもありますね。
まとめ
いかがでしょうか、COSAという等身大のラッパーは。
自分自身に正直で真っ直ぐなラップは、優しくもあり厳しくもあるものですね。
人間味あふれた生身のラップは、ときとして自分自身の心のカンフル剤にもなり得るのです。
こんなラッパーがいることも含めて、これからもHIP HOPを聴き続けていきたいと思います。