【日本語ラップ】OZROSAURUSのおすすめ名曲6選

改めてOZROSAURUSとは?

OZROSAURUS(オジロザウルス)は、横浜出身のラッパーで日本語ラップのレジェンドの一人でもあります。

元々はラッパー・MACCHO(マッチョ)とDJ・TOMOのユニットとして1996年に活動を開始。HIP HOP全体がまだアンダーグラウンドだったころから精力的に活動。

ZEEBRAやラッパ我リヤ、TWIGGYとのコラボで知名度を上げ、2001年に1stアルバム「ROLLIN'045」をリリース、8万枚のセールスを記録しました。

デビューから早々にシーンの中心に駆け上がり、天下のポニーキャニオンと契約を果たしたOZROSAURUSですが、2004年には音楽性の相違からDJ・TOMOが脱退。

しかし、ソロになってからのOZROSAURUSは2006年の3rdアルバム「Rhyme&Blues」が各種メディアで高い評価を受けるなど爆発的な飛躍を遂げるのでした。

その後、ポニーキャニオンとの表現上の対立から「自分の感性は曲げない」として、アンダーグラウンドに舞い戻るなど信念を貫く活動でその地位をさらに不動のものとしたOZROSAURUS。

Anarchyや多くのラッパーがOZROSAURUSへの憧れや衝撃をラップにしていますが、シーンに如何に大きな影響を与えているかがわかりますね。

14歳からラップをはじめたMACCHOは、攻撃的で独自性の高い声と、堅く鋭い真っ当なラップ、言葉を崩して変則的に韻を踏み込んでくるトリッキーなラップ、それでいてしっかりリリックとして意味も筋も通ったライミングを得意とする、変幻自在、唯一無二の最強ラッパーと言えるでしょう。

そんなOZROSAURUS、「百聞は一見に如かず」ですので、曲紹介へと足を進めます。

OZROSAURUS おすすめの曲6選

AREA AREA

まずは2000年にリリースしたシングル「AREA AREA」。

リリックにもある通り「俺もやったろう」という攻め気満々でシーンに爪を立てる若かりしOZROSAURUSの攻撃的一曲です。

「俺はここから逃げない、戦っていくぜ、かかって来いよ」そんなメッセージも感じられる2ndシングルとは思えない風格と余裕が、抜群にカッコいいと思いませんか。

既にこの時点でラッパーとして完成しているといってもいいレベルですが、このレベルがスタートラインなのがOZROSAURUSなのです。

The Phoenix ( will rise )

圧倒的なスキルと強烈な存在感を放つMACCHOですが、実は、交通事故で一度死の淵を彷徨っていました。そんな死の淵から這い上がった自分を「不死鳥」に喩えた2005年リリースのこの曲が2曲目です。

「心はガキの頃と同じ、ラップはさらに磨きかけてるぜ、俺は死なねぇ、最上最高だ」と宣言するかのようなラップが、まさにオジロ節。「AREA AREA」より攻撃力増し増し、です。

My Dear Son

2years

続いてはこの2曲をセットで紹介します。

不動の地位を確立し揺るがない存在であるMACCHOを動かすことができるのは、やはり家族しかいません。

娘や息子への溢れる愛情、愛ゆえにその一挙手一投足をすべて目に焼き付けんとするMACCHO。父親としての想いが溢れるこのラップは涙無しには聴けません。

筆者にも小さな娘がいますが、子どもへの想いはMACCHOと同じ。偉大なるレジェンドも家族には目を細めるのかと温かい気持ちになりつつも、子煩悩なことをラップしても抜群にカッコいいところが流石、MACCHOですね。

Rewind feat. ZORN

OZROSAURUSに影響を受けた一人でもあるZORNを迎えて2022年に配信されたこの曲も欠かせないでしょう。ある意味では完成形に到達し極めた域に達していたMACCHO。

ここらで一瞬落ち着いてもいい、そんな人生の休日のようなこの楽曲が縁で、MACCHOはZORNのレーベルから7htアルバムをリリースします。

そして、時を同じくして、ZORNを介してMACHHOにとって大きな局面を迎えることとなるのです。

Players' Player feat. KREVA

MACCHOが迎えた大きな局面とは、これまで間接的に楽曲を通してビーフしてきたKREVAとの共演でした。

双方と有効な関係を築くZORNが間に入ることで、同時代のレジェンドが一堂に会し、MACCHHOのビーフは「道は違えど認めたぜ」「同じ山の頂上にいるな」という終着点に到達するのでした。

KREVA曰く、Players' Playerとは「選手が認めるすごい選手」。

竜虎が互いに認め合いつつも馴れ合わずまた別々の道を行く、最高にクールなものだったと思います。互いに繰り出すラップも、パンチラインの応酬で全フロウがサビのような珠玉のラップとなっていますね。

「MACHHOのパート制作に非常に時間がかかり、締切を過ぎてようやくKREVAの元に届いたが相当な完成度であった、読み込んで同じレベルを返すことに注力した」とKREVAが自身のYouTubeで語るように制作には相当な力を込めたようです。

MACCHOもKREVAも日本語ラップ創世記から衰退期を経て、今に至るまで常に最前線に立ち続けている超レジェンド。

その実力を余すところなく見せつけた歴史的名作である「Players' Player」、全ての世代に聴いてほしい一曲です。

MACCHOとKREVAのビーフの真実

同時代ににシーンの人気・実力を二分していたKREVAへのMACHHOのビーフは余りにも有名ですが、最近になって、KREVAは本人の公式YouTubeで「MACCHOは変態的に上手い、カッコいいから自分のDJイベントでも曲を使ったし聴いていた。ディスられていることに気づいていなかった」という真実が語られました。

双方が楽曲を通して数年間に渡って壮大なビーフの掛け合いをしていたと読み取っていたヘッズ達はいい意味で裏切られたことになりますね。そんな様を「お前ら(ヘッズ達)がたどり着かせたのかもな ここまで」とラップしたKREVAも流石です。

そして、MACCHOからのビーフは、KREVAのラッパーとしてのスキルやスタンス、実力がMACCHOの琴線に触れたからこそ鼻につく、というものだったのではないでしょうか。

まさか、共演という形でこのビーフが終着するとは予想だにできませんでしたが、壮大な映画を見た後のような、深く、清々しく爽やかな気持ちになりました。

まとめ

今回は、OZROSAURUSをご紹介しました。

正直、5曲を選ぶことは難しく、たった5曲には集約し切れないほどのぞんざい感や実績、実力や魅力のある大物ラッパーであることを再認識しましたし、たった5曲を並べただけでもこれほどの威力があるのか、とも感じられましたね。

2023年で45歳を迎えるMACCHOですが、「Players' Player」を見る限りまだまだ現役バリバリで、まるで陰りが見えません。

これからも、OZROSAURUSを聴き込みたいと思います。

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