【日本語ラップ】ZEEBRAのおすすめ曲5選

第一人者ともいうべきZEEBRA

ZEEBRAと聞いて知らない人はいない、と言えるほどの知名度。

今の日本語ラップスタイルの第一人者であるZEEBRAですが、まずは簡単に経歴を見てみましょう。

ZEEBRAは中学から慶應義塾に行くほどの頭脳を持ちつつも、14歳からクラブに出入りし、早々に中学を退学してしまうようなストリートな中学生でした。

その後は、学校もそこそこにクラブやDJなど夜の世界に幅を利かせつつ、17歳の頃にキングキドラのメンバーとして同じ釜の飯を食うことになるK DUB SHINEの伝手でニューヨークに渡り、そこでできた仲間から本場のHIP HOPを吸収してきたことから、彼のラッパー人生がスタートします。

学校に行っていないにも関わらず英語が堪能だった彼が、本場のHIP HOPを音だけでなく、リリックや韻とそのニュアンス、文化的背景、当時の音楽の流行全般といった根っこの部分から吸収したことが後の日本語ラップの運命を切り開いたとも言えるでしょう。

K DUB SHINEとともに、日本語で韻を踏みながらリリックを成立させる「型」を確立しつつ、自己顕示と自己陶酔の極みとも言えるラップとディストーションボイスでシーンをけん引したのは、誰あろうZEEBRAでした。あのオラオラ全開の濁声は最高の衝撃でした。

ラッパーといえば、斜に構えながら威圧感たっぷりの濁声で攻撃的な韻をかます、そんな素人でも想像できるイメージの根源となったのもZEEBRAではないでしょうか。

英語が堪能という部分で日本語ラップの音の乗せ方や発話、発音の仕方、日本語と英語のミックスでこそ広がった幅のあるライム、そういったZEEBRAのラップが後世に与えた影響は計り知れません。

HIP HOP黎明期から繰り出してきたラップがシーンを作り、ZEEBRA自体がシーンそのものだった側面もある彼のおすすめの曲を見ていきましょう。

ZEEBRAのおすすめ曲5選

Grateful Days featuring Aco, Zeebra/Dragon Ash

最初がZEEBRAの曲ではないことに違和感のあるかたも多いかもしれませんが、日本ラップ界にZEEBRAあり、という事実を日本全国に知らしめたのは間違いなくこの曲です。

この曲やDragon Ash自体に様々な見方が存在していると思いますが、当時、ロックやミクスチャーのシーンをけん引していた最先端だったKJが見初めたZEEBRAの威力はハンパではなかったと思います。日本中の男子が「俺は東京生まれHIP HOP育ち」と声を嗄らしてラップするほどのインパクトがありました。

楽曲自体のメッセージとZEEBRAのラップの相性も抜群で、これをキッカケに本物のHIP HOPにハマった、B-BOYに傾倒したという方も相当数いらっしゃる名曲、外せません。

1999年リリースのこの曲は、完全に世紀末の日本を揺らしていました。

2002年にキングキドラが「公開処刑」で強烈にKJをディスることになりますが、いずれにせよZEEBRAがシーンの中心にいたことは紛れもない事実ですね。

PLAYER'S DELIGHT ZBR-5000 MIX feat.TWIGY & DEV-LARGE

「Grateful Days」の勢いもさながら、2000年6月にリリースとなったこの曲。

TWIGY、DEV-LARGEという当時HIP HOPの最前線にいたHIP HOPアーティストとのコラボで、「Grateful Days」に湧くシーンに、別の角度から衝撃を与えました。

某有名スポーツメーカーのCMソングとしてZEEBRAのラップ部分がフィーチャーされ、シーンは、さらにスピードを上げて行ったのです。このころには既にZEEBRAの攻撃的で不敵なディストーションボイスのラップは完成形だったと思います。

また、バスケットボールのようなZEEBRAのラップとCMのアニメーションが、HIP HOPと言えば「バッシュ」というイメージを掻き立てて、ファッション的にも時代が動いた感覚すらありました。

Street Dreams

21世紀に入り、長きに渡り王者として君臨することになるZEEBRAですが、年齢や経験、ラップとして届けたいことなどがガッチリかみ合った2005年にリリースした「Street Dreams」は、完全にZEEBRAの代表曲といっていいでしょう。

シーンだけでなく、日本全体をけん引するかのようなラップや大胆不敵なリリックには、完全に全てを持っていかれますね。シーンを切り開き、シーンを作り、シーンを広げる、そのど真ん中に居続けたZEEBRAにしか書けないラップ、今聴いても上がります。

こうしてふり返ると、改めて彼が最重要人物であることを実感しますね。

当時ファンだった方、この曲がiPodに眠っていませんか? 筆者はこの曲をお供に、もう一度一人で車を走らせたいと思いました。

Neva Enuff - Brother(ZEEBRA+AKITION)

北野武監督作品の「BROTHER」に影響を受けて作ったという2001年リリースの「Neva Enuff - Brother」。AKITIONとは映画に出演していた真木蔵人氏で、HIP HOPイベントのMCを務めるなどラップとの関りの深い彼。

実は、このコネクションで高校生ラップ選手権で名を上げていたT-Pablow、YZERRをZEEBRAに引き合わせたのも真木氏なのだとか。そんな真木氏もラップに参加してイケイケオラオラ全開のこの曲は、ZEEBRA全盛期の快作といっていいでしょう。

ダークでセンセーショナルなトラックに乗ったZEEBRAのキレキレのラップ、粗暴で獰猛な真木氏のラップが相性抜群で、個人的にはこの曲がナンバー1です。

Jackin' 4 Beats

続いてはこちら。2008年に20周年記念でベスト盤リリースにあたって書き起こされたこの曲は、黎明期、創世記を代表するアーティストをサンプリングしたメモリアルな楽曲です。

ラインナップは、Microphone Pager「病む街」、BUDDHA BRANDとシャカゾンビのユニット・大神「大怪我」、RHYMESTER「B-BOYイズム」、BUDDHA BRAND「人間発電所」、LAMP EYE「証言」、ラッパ我リヤ「Do the GARIYA thing」、DABO「拍手喝采」、YOU THE ROCK★「FUKURROU(YAKANHIKOU)」、SOUL SCREAM「蜂と蝶」、OZROSAURUSの代表曲「AREA AREA」と伝説曲ばかり。

まるでZEEBRAが「みんなの力で今があるぜ」という想いを込めたかのようなセレクトに胸が熱くなったヘッズも多いでしょう。

サンプリングされた曲が流れていた90年代中後半は、くしくもJパンク・メロコア・スカ全盛の時代でHi-STANDARDなどがど真ん中にいた時代でしたが、ここに登場したHIP HOPアーティストらの活躍で、シーンには風穴が開き、ストリートではパンクスがB-BOYに流れるという現象が起こるほどでした。

まとめ

どれも名作揃いのZEEBRA。

おすすめ曲5選を選ぶのはなかなか難しいのであくまで個人的な観点でのセレクトです。

ここに上げられなかった曲も含めて、ZEEBRA自体が「おすすめ」であることはゆるぎない事実。改めてZEEBRAの歴史をふり返ってみてはいかがでしょうか。

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