こんにちは。Ikoanです!
今回は、90年代中盤以降のHIPHOPブームの中で、「魂の叫び」をテーマにヘッズたちを熱狂させた、HAB I SCREAM、E.G.G.MAN、DJ CELORYの三人で構成されたグループ、ソウルスクリーム(SOUL SCREAM)をご紹介します。
ECD主催の伝説のHIPHOPイベント"さんぴんCAMP"にも出演したSOULSCREAM。
彼らは、他の"悪い"というイメージを前面にだして自分のことを歌う当時の主流のラッパーとは違う、一歩引いた視点で精神的に深く掘り下げた考えさえられる歌詞を作風とし、当時のシーンを支えていた通称"文系B-BOY"と呼ばれたヘッズたちを大熱狂させたラップユニットです。
もともと前身として1990年台初頭、E.G.G. MAN・ALG・HAB I SCREAMの3人でPower Rice Crew(パワー・ライス・クルー)こと、P.R.C.を結成し、1995年、Soul Scream(ソウル・スクリーム)に改名しました。
このあたりの時点でメンバーは実は6人いたのはあまり知られていない事実で、E.G.G. MAN・ALG・HAB I SCREAM・SHIKI・MI・DJ CELORYで構成されていました。
この事実は RHYMESTER 『EGOTOPIA』より、"口からでまかせ feat. King Giddra & Soul Scream"のSHIKIのバースでこう歌われています。
Soul Scream 魂の叫び
君の耳元に捧げる為に
H.A.B., Shiki on the M.I.C.
E.G.G.Man, DJ Celory, MI, ALG”
RHYMESTER 『EGOTOPIA』より、"口からでまかせ feat. King Giddra & Soul Scream"
2:49あたりから聞くとこの部分が聞けます。
この当時は6人いたようですね!
のちにSHIKI・MI・ALGの3人は脱退して、HAB I SCREAM、E.G.G.MAN、DJ CELORYの3人でSOUL SCREAMとして活動します。
「The Deep」
1996年、ファースト・アルバム「The Deep」をリリース。
このジャケットを見る限りまだ5人で活動していますね!
HAB I SCREAM、E.G.G.MAN、DJ CELORY・SHIKI・ALGの5人です。
おそらくこの時点ではすでにMIは脱退しているようです。
MIはHAB I SCREAMの中学時代からの友人ということはわかっているのですが、グループ内での役割については正直自分もわかっていません。
情報あればください笑
1.Intro
2.魂の叫び
3.字幕
4.15丁目
5.Comatus
6.0番線
7.追われてる
8.無限の次元
9.Phat Jam
10.闇ノ我レ
11.The Waters
12.緑
13.Brand New
14.黒い月の夜
15.自由街道
16.君だけの天使
このアルバム内の曲といえば、
Soul Scream - 自由街道
Soul Scream - 黒い月の夜
「Tou-Kyou」
1997年、メンバーのShiki(シキ)脱退後、【ポリスター】よりメジャーデビュー。
ミニアルバム「Tou-Kyou」をリリース。
1.Intro
2.ALL DAY
3.Muscaria
4.Tou-KYOu
5.問う今日
96年は「証言」がリリースされ、少数精鋭で支えてきた日本語ラップ黎明期ともいうべき時代は一旦終わりました。
その後、このミニアルバムがリリースされた97年以降からは多種多様なアーティストが出現し、しのぎを削ります。そんなかでのこの作品です。
「東京」の姿をシビアに表した作品が、この「Tou-Kyou」のミニアルバムです。
そして、「問う今日」は、「TOu-KYOu」のRemixとも言える作品です。hookも変更されていますね。皆さんはどちらが好みでしょうか?聴き比べてみるのもいいかもしれません。
Soul Scream - TOu-KYOu
「The Positive Gravity -案とヒント-」
1999年、DJ Spinna(DJスピナ)率いるJigmastas(ジグマスタズ)との競演曲「Vibe」を発表。セカンド・アルバム「The Positive Gravity -案とヒント-」をリリース。
1. INTRO
2. 魂の叫び
3. 4つの魂
4. 蜂と蝶
5. HIP HOP
6. うずく欲求
7. コンパス
8. 7つの敵
9. 7つの味方
10. 初夢
11. 心から心へ
12. 続 自由街道
13. 2018~今
SOUL SCREAMの真骨頂ともいうべき、哲学的かつ、文学的なリリックで構成されたラップが全面的に押し出されているアルバムです。
このアルバムは発売された1999年において専門各誌で「年間ベストアルバム」に選出されるほどのアルバムでした。
日本語ラップ界のクラシックとして今尚愛され続ける曲がこちら。
蜂と蝶 / SOUL SCREAM
そして、蜂と蝶以外にもたくさん名曲が入っています。
コンパス
7つの敵 - Soul Scream
7つの味方 - Soul Scream
特に下の七つの敵・七つの味方は対になっている楽曲で、手塚治虫の名作漫画「ブッダ」においてでてくる「7つの敵」をアルバムのタイトルのように「案とヒント」にして、彼らなりの解釈によって現代に置き換えられた曲が「7つの敵」、そしてその“敵”に対抗する救いである“味方”を新定義した曲が「7つの味方」です。
とても哲学的要素の強い曲です。
「THE POSITIVE ENERGY」
2000年、3rdアルバム「THE POSITIVE ENERGY」を発売します。
このアルバムはリミックス・アルバムで、「The Positive Gravity 案とヒント」の楽曲をDJ CELORY、speedometer、Mr.Drunk、UTSUSMI、小西康晴、MO'HORIZONS、COLDCUT、ALGらがリミックスしたものです。
注目すべきはRINOが参加したHIPHOP 2ZEROOOO。
これはとても素晴らしい出来だと思います。
1. INTRO(DJ CELORY RE-WORK)
2. 魂の叫び(speedometer boogie mix)
3. 4つの魂(INOVADER Remix)
4. 蜂と蝶(COLDCUT FULL MIX)
5. HIP HOP 2ZEROOO
6. うずく欲求(SHAWN J.PERIOD REMIX)
7. コンパス(Mr.Drunk Remix)
8. 7つの敵/7つの味方(流Remix)
9. 初夢(Utsumi Remix)
10. 続自由街道(readymade all that jazz)
11. 2018~今(Mo’Horizons Restyled)
12. HIP HOP 2ZEROOO(DJ CELORY RE-WORK)
HIP HOP 2ZEROOO
「FUTURE IS NOW」
2002年、4thアルバム「FUTURE IS NOW」を発売します。
このアルバムを出す前は各人がソロ活動を展開するなど、精力的に活動した末の集大成とも言えるアルバムです。
MUROとDABOを客演に迎えた「にちようび」など、かなり良曲が詰まっています。
1. ソウルコンベンション
2. 魂叫
3. 出発
4. 進行
5. あした FUTURE IS NOW
6. SOSC ANTHEM
7. にちようび
8. コミュニケーション
9. 東京温暖化
10. 事件簿01
11. 何ほしい?
12. ユニバーサルロウ
13. 緑の森
14. 続々 自由
15. トオノクエ
16. ウィアア
17. 4つの魂
18. リインカネーション
トオノクエ
最後に
クラシックの代名詞ともいうべき「蜂と蝶」以外にも多数の名曲を残し、日本語ラップ界に名前を刻んだSOUL SCREAM。
彼らの哲学的、文学的な視点から綴られるリリックは、まさに考えさせられる曲ばかりであり、それでいて何度でも聴きたくなる曲ばかりではないでしょうか。
ここで、最後に2017年ももうすぐ終わるということで、SOUL SCREAMの名曲より一曲紹介して終わろうと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!