HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!
まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。
既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。
-サンプリング wikipediaより引用
要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。
「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。
この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。
「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。
ってことで、第61回目はECDの第3弾です!
登録50件のうち、前編(第16回)と後編(第57回)で掘らなかった曲たち。第3弾は「ルパン三世」のネタまで飛び出す7曲です。
ECDの曲を元ネタと比較してみましょう
ECD / HOLD UP!
ECD - HOLD UP!
The Fabulous Counts - Jan Jan
元ネタは、The Fabulous Countsの「Jan Jan」。
デトロイト・ファンクの荒いグルーヴ。ECDの言葉の圧は、この手の土くさいファンクと相性が抜群です。
The Fabulous Counts - Jan Jan
ECD / 山と川
ECD側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
Duke Ellington - Take the A Train
元ネタは、Duke Ellingtonの「Take the A Train(A列車で行こう)」。
ジャズ最大のスタンダード。「山と川」という日本の原風景のようなタイトルに、ニューヨークの地下鉄の歌です。
Duke Ellington - Take the A Train
ECD / バイブレーション feat. HAC,ETSU
両側とも単曲音源は見つからなかったため、テキストのみで紹介します。
笠井紀美子 - バイブレーション
元ネタは、笠井紀美子の「バイブレーション」。
和ジャズの歌姫。ECDのネタ帳には、こういう日本のジャズの掘り下げも入っています。
ECD / Hustle Bunch
ECD側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
細野晴臣&イエロー・マジック・バンド - ジャパニーズ・ルンバ
元ネタは、細野晴臣&イエロー・マジック・バンドの「ジャパニーズ・ルンバ」。
YMO以前の細野晴臣による戦後歌謡のカバー集から。ECDの和モノ感覚は、ここまで遡ります。
細野晴臣 - ジャパニーズ・ルンバ
ECD / ISLAND
ECD側の単曲音源は見つからなかったため、元ネタのみ埋め込みます。
淺川マキ - ふしあわせという名の猫
元ネタは、淺川マキの「ふしあわせという名の猫」。
アングラの女王の深い闇。「ISLAND」という曲の孤独感の源は、この声だったのかもしれません。
淺川マキ - ふしあわせという名の猫
ECD / ECDのAfter The Rain
ECD - ECDのAfter The Rain
Mute Beat - After The Rain
元ネタは、Mute Beatの「After The Rain」。
日本のダブバンドの先駆け。雨上がりのダブの残響が、ECDの声に重なります。
Mute Beat - After The Rain
ECD / 銭の花 feat.四街道ネイチャー
客演は第31回で連載した四街道ネイチャー。
ECD・四街道ネイチャー - 銭の花
チャーリー・コーセー - ルパン三世その2
元ネタは、チャーリー・コーセーの「ルパン三世その2」。
誰もが知るアニメのエンディングテーマ。「銭の花」というタイトルと、泥棒の歌。この組み合わせの洒落がECDらしいです。
チャーリー・コーセー - ルパン三世その2
最後に
ECD第3弾の元ネタは、The Fabulous Counts、Duke Ellington、笠井紀美子、細野晴臣、淺川マキ、Mute Beat、チャーリー・コーセーという布陣でした。
ファンク、ジャズ・スタンダード、和ジャズ、戦後歌謡、アングラ、ダブ、アニメ主題歌。社会派ラッパーの本棚は、3回掘ってもこの幅でした。ECDはこれで実質掘り切りです。
ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!