舐達麻ってどんなグループ?
HIP HOPが日本に根付いてから20数年のときが流れ、音楽としての側面も深まってきました。そんな流れとは完全に独立した存在、それが舐達麻です。
埼玉県で音楽活動を開始した舐達麻ですが、活動の裏では、金庫破りという犯罪に手を染め、逃走中に交通事故でメンバーが死亡する、というセンセーショナルな過去をもつ彼ら。2015年にデビューした後も、数回に及ぶ大麻取締法違反での逮捕、度重なる職務質問とその都度起きる警官との衝突、楽曲の中で踊るイリーガルなリリックの数々。そんな側面すら魅力化してしまう独自のラップスタイルの舐達麻、どの曲を聴いてもダークでドープでディープな世界に引き込まれます。
現メンバーは3人、 BADSAIKUSH(バダサイクッシュ)、G-PLANTS(ジープランツ)、DELTA9KID(デルタナインキッド)。
BADSAIKUSHは、中学時代から車を所有しており、20歳から数年間は覚醒剤を常用していたと公言するほか、その後遺症で左耳が聞こえないようです。
また、KUSHは大麻をを意味する言葉のようです。そんな彼ですが大のネコ好きで、SNSでもネコとのツーショットを多数アップしています(意外でした)。
楽曲の方向性などは彼がコントロールしており、「舐達麻の核」となっています。
G-PLANTSは植物を思わせるPLANTSを使用した名前から栽培を匂わせ、DELTA9KIDは、大麻の主成分であるdelta-9-tetrahydrocannabinol(デルタナインテトラヒドロカンナビノール)を彷彿とさせますね。
このほかに、D BUBBLES(ディーバブルズ)というメンバーがいましたが、大麻取締法違反で唯一実刑判決を受けており、出所後に姿を眩ましたそうです。
そんな彼らのおすすめの曲を見ていきましょう。
Life Stash
一曲目からヘビーな曲ですが、まずはこれから。
トラックはハイセンスでメロウな雰囲気ですが、ラップの内容はハードですね。
警察での様子を赤裸々に吐き出しつつ「大麻吸いてー」「収穫」と言い切ってしまうラップも流石ですが、MVもど真ん中です。
火のないところに煙は立たないとはよく言ったものですが、火と煙にまみれたメンバーがしっかりと収められていますね。これが舐達麻です。
Dbubbles
「バビロンはマジで腐ってる」から始まる2019年リリースのこの曲。
恐らくは、当時服役中だったD BUBBLESに向けた楽曲ではないかと思います。
D BUBBLESに限らず、度重なる大麻所持やその他の素行によって警察のターゲットになってしまった舐達麻は、執拗な職務質問や警察からの接触や態度に辟易としているのでしょう。
反発むき出しの「違法職質」「ダントツこの国の失敗作」「バビロンシティ コンクリートジャングル」「鬱陶しいサイレン」「鬱陶しい調書にはまかれねぇ」と舌好調です。
とにかく警察が嫌いな舐達麻、彼らがアップした警察の職務質問動画も見ごたえ十分です。
100MILLIONS
大麻、職質、権力批判、イリーガルなどなど。
舐達麻に纏わる黒い部分はありますが、彼らにも日常や生活があります。
しっとりとしたビートに乗せた彼らの黒い日常が見え隠れするかのようなラップとMVが魅力のこの曲は、2019年リリース。同曲のラップ内には「切られても切れるような関係じゃない」とありますが、どのような行いをしていても仲間は仲間、永遠の繋がり、そんなスタンスはリスペクトです。
そして、改めて彼らのビートメイクのセンスの高さに驚かされますね。
「ジョイントや葉巻で巻いたり、液状の大麻を所持したり」についてはノーコメントで行きましょう。
frequencies
最近ではきれいでセンチメンタルなトラックも多い舐達麻ですが、2015年のデビュー時はこのような怪しくダークなトラックだったりもします。
ラップの内容はデビュー当時から筋金入りだったのですね。トラックとラップが作り出す、まさに「あなたの知らない世界」的な世界観は、一度ハマったら二度と抜けられない不思議な中毒性も有しており、舐達麻というハードなドラッグの実力を感じる一曲でした。
BLUE IN BEATS
「マリファナを吸っては吐いて~(中略)~キチガイのように一日中書いてる」で幕を開けるこの曲。
捜索活動、いや創作活動に熱心なのは非常に素晴らしいと思いますが、もはや舐達麻にとって「放送禁止」という概念は「バックステージの遥か向こうに捨ててきて」なのでしょうかね。2022年配信のこの曲で、コロナ禍でも舐達麻が元気いっぱいであることを確認したのは、私だけでしょうか。
BUDS MONTAGE
ダークなリリックや大麻、マリファナ、権力批判などが横行するラップの中で、自らの人生をふり返るようなラップと、トラックに流したセンチメンタルなヴォーカルが印象的なこの曲。
ラップの内容を深く考えなければ、ゆっくりと優しく心に染み込んでくる彼らのキラーチューンです。「実力は努力の数」というラップも飛び出し、楽曲に関しては彼らも試行錯誤を繰り返し、絶えず向上を目指しているかのようにも感じられますね。
その甲斐あってか、再生回数は驚異の4700万超えを記録しています。
ここでも改めて彼らの楽曲構成力を思い知らされました。
ALLDAY
ラストは、2023年時点で最新の「ALLDAY」。
相変わらずMVは絶好調で「何吸ってんすか?」と聞きたくなる状態ですが、「ライムで言いたい放題のバダサイ」と言い放つ潔さには少し笑ってしまいました。
自分たちでも自覚はあるんですね、と思いつつも彼らの「懲りない感」は全開で、ある意味では安心したファンもいらっしゃるかもしれません。
値上げ値上げのこのご時世に、海外と思われるロケ地で煙に巻かれる舐達麻、恐るべしです。
まとめ
舐達麻のおすすめの曲7選、いかがでしょうか?
彼らの楽曲やラップは、言葉で言い表すというよりは実際に聴いて、見て、感じていただきたいものばかりですね。ダークでドープでディープな世界観に、一度ハマると抜けられないのは間違いないでしょう。伸るか反るかはアナタ次第です。