どうも、こんにちは。
管理人のIkoanと申します。日本語ラップに魅了され、人生を狂わされたヘッズです。笑
今年(2017年)は空前のフリースタイルバトルブームでしたね、日本語ラップ界のカリスマであるZEEBRAによる「フリースタイルダンジョン」という地上波の番組によって日本語ラップ界に大きなムーブメントが起きました。
ただ、フリースタイルばかりもちあげられて、日本語ラップ音源に皆目がいってないと思うんですよ。
フリースタイルラップはヒップホップカルチャーの一部であって、パフォーマンスの側面が強いと思ってます。
正直日本においてフリースタイルが広まっていったのもB-BOY PARKでMCバトルが取り入れられた2000年前後からですし、フリースタイルがうまいからといっても結局は音源が売れないとメイクマネーはできないというのがHIPHOP界の常識です。
あれだけフリースタイルが上手いR指定もフリースタイルで名前を売った後は音源に力を入れてメジャーデビューしてますよね。
日本語ラップは不良の文化というイメージが先行してしまうように、全体としての印象はいい方ではないでしょう。
昨今のシーンの盛り上がりによりクローズアップされ、いい方に変化してきた側面はありますが、まだまだ「なんか怖い」「聴いてる人は悪そう」「不良っぽい」などのイメージがどうしても先行してしまうのはあると思います。
でも日本語ラップってそんな単純なものじゃないんです。
MC漢が”根暗、アングラ、文学系、スピリチャル、ポップス、ギャングスター、ネットラッパー、けどやっぱラップにはそれぞれの色がある”(※1)とラップしているように、色々なスタイルがあって大変奥が深いものなんですよ。
前置きが長くなりましたが、「日本語ラップはフリースタイルだけじゃない!
むしろフリースタイルから入って音源を聞け!」
「不良の文化だけじゃない日本語ラップの大きなカルチャーを感じろ!」
と声を大にして言いたいので、この活動をしています。いい情報をみなさんに発信できるように頑張りますので、ぜひ読んでみてください!
この記事では初心者でも聴きやすい日本語ラップ10選!(入門編)というタイトルで書いてあります。
主に、日本語ラップを色々なくくりで分けて紹介してますので、色々聞いてみて、気に入ったものがあればそこからDigしていくのがいいと思います!
分け方としては以下の種類で分けました!
・日本語ラップのクラシック
・アングラ系日本語ラップ
・韻を踏みまくる日本語ラップ
・リリックが心に響く日本語ラップ
・超おしゃれな日本語ラップ
とりあえず自己中心のセレクトですが、間違いない曲を紹介していきます!
では行きましょう!
(※1)証明 - BOMBRUSH! (feat. 漢 a.k.a GAMI)よりリリック"恵まれない環境からも抜け出し 目眩む程にメイクマニー 根暗、アングラ、文学系、スピリチャル ラップにはそれぞれの意味がある恵まれない環境からも抜け出し 目眩む程にメイクマニー ポップス、ギャングスター、ネットラッパー けどやっぱラップにはそれぞれの色がある"を要約引用。
日本語ラップのクラシック
クラシックと聞いて頭にハテナマークが浮かんだ人も多いのではないでしょうか。
誰が呼んだかクラシック。言葉がもともと持っている"古典的な"という意味ではおそらくありません。
ということは当たり前のごとく"クラシックミュージック"なんかとも関係はないでしょう。
ここにおけるクラシックとは、"名曲"や"名盤"といった意味が当てはまるのではないかと思います。要するに"時代を超えて愛される曲"を指す言葉で、"スラング"的なもので全国に広がっていったのではないかと自分は思います。
という事で、クラシックから数曲ピックしましょう!
1.Rhymester - BBOYイズム
日本語ラップのレジェンドといえばRhymesterですね。
今でも活動しているさんピン世代(※2)の数少ない生き残り。実はもともとかなりポップ寄りのグループで、さんぴんの打ち上げが偽の場所を教えられたっていう話もあったりと今の地位に至るまでにかなり苦労もあったようです。
一時は活動休止もありましたが、日本語ラップ界になくてはならない存在として第一線で活動しています!
(※2)さんピン世代とは、1996年7月7日日比谷野外音楽堂で開催されたヒップホップイベント"さんピンCAMP"に出演していたアーティストのこと。
小沢健二 featuring スチャダラパー - 今夜はブギー・バック
こちらは日本で初めてお茶の間にHIPHOPを持ち込んだ曲です。
一般的なHIPHOPのイメージとはかなり程遠いですがれっきとした日本語ラップの名曲なのです。
ただし当時は日本語ラップの黎明期。USから輸入されたHIPHOPのイメージを至高とするB-BOY達からの印象は最悪だったということで、当時はあまりヘッズには受け入れられなかったようです。
日本語ラップ聞いたことない人でもこれは知ってるって人多いのではないでしょうか?
アングラ系日本語ラップ
アングラ系、いわゆるアンダーグラウンドな日本語ラップです。これは世の中のHIPHOPのイメージと一致するような曲が多いジャンルです。
成り上がっていく"HIPHOP DREAM"の曲が多いのもこのジャンル。また自分がどれだけワルい奴なのかを歌っているのもこのジャンルです。
"HIPHOPとはリアルだ"とよく言われるのですが、自分はいい意味でも悪い意味でも一番HIPHOPというカルチャーを知ることができるのはここだと思っています。
この文化の根底にあるもの、どん底から這い上がってきたストーリー、その人の人生観など、HIPHOPのより深い部分を垣間見ることができるのがアングラの魅力です。
MC漢「I'm a ¥ Plant」
フリースタイルダンジョンでもモンスターとして活躍したMC漢。この人こそアンダーグラウンド日本語ラップの第一人者と言える人です。
その壮絶な生き様は著書"ヒップホップ・ドリーム"で詳しく知ることができます。
まぁ、この表向き平和な国の日本でこんなハードコアな曲が生まれるなんて普段どんな生活してるんでしょうかって感じですが、自分は好きですね。
Anarchy - Growth
この人こそ"HIPHOP DREAM"の体現者で、今やavexと契約しメジャーデビューしたAnarchyですが、16歳で暴走族の総長となり、その後、日本で三例目とされる「決闘罪」で逮捕された過去を持ちます。
この曲は自身生い立ちを歌った曲で、このGROWTHはリメイク版なんですが、もともとは自主制作で2000枚限定で出された、幻のマキシシングル「GHETTO DAY'Z」に入ってた曲です。ちなみに余談ですがこのシングルは1枚1万円程度で取引されてたりしたそうです。この曲も"リアル"が詰まった名曲ですね。
韻を踏みまくる日本語ラップ
日本語、洋楽問わずラップの特徴は何と言っても"押韻"にあると思います。要するに"ライム"と"ライブ"のように韻を踏んでいくことですね!
フリースタイルダンジョンの面白さの大きな要因も、やはり聴いてて「えっ!そんな韻の踏み方即興でする!?」ってところにあると思います。
もちろん韻だけでなくフローも大事ですが、やはり聴いてて気持ちいい押韻のラッシュは日本語ラップにだけ許された特権です。
そんな聴いてて気持ちいい曲をピックしてみました!
越冬 / ICE BAHN
韻を踏むことに重きをおく代表的なグループといえばICE BAHNですね。"RHYME至上主義"を掲げるグループです。
Verse2の最初の一節ですが、読み上げてみてください。
"滑りだしたICE BAHN 常に明日(あした)無い不安 と闘って また勝ってく 夢見がちなマイプラン"
これだけでなんか気持ちよくなってしまいますね笑
ICE BAHNは玉露、FORK、KITの3MCからなります。皆韻が硬いのですが、実はICE BAHNの三人の中でも特にFORKが一番韻が硬いと言われています。FORKはフリースタイルダンジョン新モンスターのあの人です。若い人は知らないかもですが、実はかなりの実力者なのです。
韻踏合組合 - 揃い踏み
韻踏合組合はその名の通り、韻を踏むことをテーマにしているグループですね。フリースタイルダンジョンの審査員ERONEの所属するグループでもあります。
元々何個かのグループがまとまってできたのが韻踏合組合なので、歴代のアルバムの中身にいろんな音源が詰まったまるでコンピアルバムのようなものがあったりするのは面白いですね。
この曲の最初の遊戯のバースはもはや意味がわからないぐらいキレッキレに韻を踏んでますので、ぜひ聴いてみてください。笑
リリックが心に響く日本語ラップ
ポップミュージックのように、日本語ラップにも"愛"や"友情"や"人生"をテーマにした心に響いてくる名曲があります。
決して器用な言い回しや表現ではない、超ストレートなリリック(歌詞)だからこそ、心に響くものもあるのではないでしょうか。
そんな不器用だけど心に響いてくる名曲もあることを紹介していきたいと思います。
ゆれる feat. 田我流
日々の何気ない生活の中で、ふと立ち止まると見えてくる小さな幸せ、そんな“心がゆれる”瞬間を切り取った曲です。
立ち止まって、心を緩めてみると「意外と日常って悪くないな」って思えるような気がしてきます。
心を揺さぶるビートにSOULが詰まったような、日本語ラップってやっぱりいいなぁなんて思える最高の曲ですね。
ZORN / My life
こちらも「何も特別なことなんてない日々の繰り返しの人生が一番最高なんだ」って気づかせてくれる曲ですね。
「洗濯物干すのもHIPHOP」ってパンチラインは自分の生活を180度変えましたね。そんな考え方してしまう!?と。
ZORNは"HIPHOP DREAM"で絵に描いたような成功をつかむよりも現実の生活の中に幸せを見つける方に重きを置いた。
その飾らない姿、人生観に本当食らいました。なんてカッコいいんだろうかと。
超おしゃれな日本語ラップ
HIPHOPは近年さらに多様化、進化が進み、あらゆるジャンルを生み出してきました。その中でもここ数年かなり急激にリスナーからの共感を得ているのがおしゃれな雰囲気を醸し出すHIPHOPだと思います。
ビート、リリック、フロウ全てが洗練された次世代のHIPHOPともいうべき音作りは今までのHIPHOPとは大きく違う、新しい潮流を生み出してきました。
アーティストたちの一挙手一投足から目が離せない超おしゃれなHIPHOPをぜひ聞いてみてください。
KID FRESINO - Turn.(who do) ft. jjj
リリースのキッカケになった「Come In」の録音まで、ラップはおろかリリックを書いたことすらなかったというKID FRESINO。
そんなKID FRESINOはラップ歴わずか10ヶ月でソロアルバムをリリースし、日本語ラップ界に旋風を巻き起こしました。
基本的に地元のメンバー音楽を作っているというところにも同じような価値観を持つ仲間が集まっていい音楽を作っているのかもしれないと思いましたね。正直今一番お気に入りのアーティストです。
KANDYTOWN - R.T.N
ラッパー・DJ・ビートメイカー・フィルムディレクターなど総勢16名の東京の街を生きる幼馴染たちによるヒップホップ・クルーKANDYTOWNですね。
これも超絶おしゃれなラップをかまします。先のKID FRESINOもそうですが、狭いコミュニティで仲間とともにHIPHOPを作っている集団です。
このMVは全て都内で撮影されており、楽曲「R.T.N」(=Run The Night)のタイトル通り、彼らが夜の街を音楽と仲間と共に駆け抜ける様子が描かれています。
これももう今大注目のアーティストなのは間違い無いですね!
最後に
最後までおつきあいいただきありがとうございました。楽しんでいただけたでしょうか?
でもここにあげた10曲だけでは正直物足りないです。やはりアーティストはまだまだたくさんいるし、曲も長年生み出されてきたものが山ほどあります。
ここから様々なアーティストを知ってほしいし、いろんな曲を聴いて、HIPHOPに対する理解を深めてほしいと思っています。歴史やカルチャーを知って、現場にも遊びに行ってほしいです。
生で聞く日本語ラップはYOUTUBEやCDとは全然違います。まさに"心が揺さぶられる瞬間"を感じます。今絶対フリースタイルラップブームで終わらせてはいけないんです。
正直日本語ラップは自主生産のインディーズCDなどが多く、初期の盤なんかは今から探しても聞くことすら難しかったりします。一昔前のHIPHOPブームの時、ヘッズたちは新譜が発売されると、こぞって渋谷に列を作りレコードやCDを買っていたそうです。
今でこそあらゆる音楽配信系サービスが浸透してきたのもあり、色々な曲を聞くことも容易になりましたが、一方でYOUTUBEなどにアップされた曲で満足してしまい、アーティストに対して対価を払って音楽を聞くという行為がだんだんなくなってきてしまっているのでは無いかと考えています。これから音楽を消費するスタイルはどんどん変わっていくことでしょう。その中でカルチャーを支えていくのは私たちヘッズ達だと思います。
いいものには敬意を評して対価を払いたい。これは私のスタンスです。
これはまだ始めたばかりのメディアですが、みなさんにいい情報を提供できるように頑張っていきますので、ぜひみてみてください。
そしてTwitter、facebookページもよかったらフォローしてくださいね。
では!
↓もっと色々聴きたい方はこちら↓ こんにちは、IKOANです。 本日は、日本語ラップをこれから聴きたい、もしくはHIPHOPに興味があるけど何から聴けばいいのかわからないという方向けに、ジャンル別におすすめの曲を紹介する記事です。 日 ...
【入門書】日本語ラップ・HIPHOPをこれから聴きたい人向けジャンル別まとめ