HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!
まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。
既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。
-サンプリング wikipediaより引用
要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。
「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。
この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。
「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。
ってことで、第43回目は後編ラインの第2弾、MUROの後編です!
"King Of Diggin'"のネタ帳は、第21回の前編(Street Life、第三段落 97ページ、K.M.W.、11154、Pan Rhythm、Chain Reaction、XXX-LARGE PART 2)だけでは到底掘り尽くせませんでした。残りの登録から、今回は7曲を掘ります。
前編は第21回 MURO 編、本人のプロフィールはPLAY MAGAZINEのアーティスト名鑑でも紹介しています。
MUROの曲を元ネタと比較してみましょう
MURO / 三者凡退
まずは二重ネタの1曲から。feat. GORE-TEX。
MURO feat. GORE-TEX - 三者凡退
Kool G Rap - Blowin' Up In The World
ネタ帳の登録は2件。1つ目は、Kool G Rapの「Blowin' Up In The World」。こちらはサビのフレーズに使われている、という登録です。
Kool G Rap - Blowin' Up In The World
Brass Fever - Djingi
2つ目は、Brass Feverの「Djingi」。
ビートの素材と、ヒップホップ側のフレーズの引用。サンプリングの「2つの顔」が1曲に同居している好例です。
Brass Fever - Djingi
MURO / K.P.
キャリアの原点まで遡ります。「K.P.」は、MUROがDJ KRUSHらと組んだKRUSH POSSE時代の曲で、ネタ帳ではMURO名義で登録されています。下の埋め込みもKRUSH POSSE名義の音源です。
Krush Posse - K.P.
Grand Wizard Theodore - Military Cut
元ネタは、Grand Wizard Theodoreの「Military Cut」。
スクラッチの発明者とされるDJの、スクラッチそのものが主役の古典。DJ上がりのMUROの原点に、この曲がいるのは必然に思えます。
Grand Wizard Theodore - Military Cut
MURO / WEEKEND FUNK #7
BOO、G.K.MARYAN、GORE-TEX、S-WORD、Tinaと、KODPの仲間が集結したマイクリレー。
MURO - WEEKEND FUNK #7
James Brown - The Drunk
元ネタは、James Brownの「The Drunk」。
ファンクの帝王のレアグルーヴ。週末のパーティー仕様の曲に、JBの掘り出し物を持ってくるあたりがKing Of Diggin'らしいところです。
James Brown - The Drunk
MURO / HIP HOP BAND feat. BOO
KODPのBOOを迎えた1曲。
MURO - Hip Hop Band feat. BOO
Kool & the Gang - Chocolate Buttermilk
元ネタは、Kool & the Gangの「Chocolate Buttermilk」。
「HIP HOP BAND」というタイトルに、ファンク・バンドの元祖の1つ。タイトルとネタの対応が気持ちいい組み合わせです。
Kool & The Gang - Chocolate Buttermilk
MURO / 浪漫SOUL Feat. 鈴木雅之
鈴木雅之を迎えた、歌ものとの橋渡し。
MURO feat. 鈴木雅之 - 浪漫SOUL
Tyrone Davis - Overdue
元ネタは、シカゴ・ソウルのTyrone Davisの「Overdue」。
日本のソウルの顔と、アメリカのソウルの名手。時代も国も越えたソウル同士の接続です。
Tyrone Davis - Overdue
MURO / W Steal
SUIKENとS-WORD、KODPの2人を迎えた曲。
MURO feat. SUIKEN, S-WORD - W Steal
Don Downing - Doctor Boogie
元ネタは、Don Downingの「Doctor Boogie」。
1978年のソウル/ディスコ。前編のDee Felice Trioといい、この辺りの掘りの深さがMUROの真骨頂だと思います。
Don Downing - Doctor Boogie
MURO / XXX-LARGE PART 3
最後はシリーズものの続きを。第21回でPART 2(元ネタはDorothy Ashby「Wine」)を紹介しました。PART 3はMURO側の単曲音源が見つからなかったため、前回同様にテキストのみで紹介します。
Weapons of Peace - City
元ネタは、Weapons of Peaceの「City」。
XXX-LARGEシリーズは、パートごとに違うソウル/ファンクを掘ってくる。グループ期からソロ期へと続く、MUROの「掘りの履歴書」のようなシリーズです。
Weapons of Peace - City
最後に
MURO後編の元ネタは、Kool G Rap、Brass Fever、Grand Wizard Theodore、James Brown、Kool & the Gang、Tyrone Davis、Don Downing、Weapons of Peaceという布陣でした。
前編と合わせても、まだStealthy Footsteps、Asparagus Sunshine、Spreading Funk Virus、M★BOOGIEが残っています。King Of Diggin'のネタ帳は、やっぱり底が見えません。
後編ラインはまだ続きます。
ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!