SALUとは?
SALU(サル)は、北海道札幌市出身のラッパーです。
1988年生まれのSALUは、大学進学とともに神奈川県に移住してきますが、20歳のころにはラーメン店の店長としてシンガポールに1年間滞在するなど、異色の経歴を持っています。
14歳からHIP HOPに親しみ、リリックを書き溜めていたようですが、本格的にラップを始めたのはシンガポールからの帰国後でした。
経験が浅いSALUでしたが、女神に見初められるようにチャンスが巡ってきます。
当時、アンダーグラウンドで多くのラッパーやDJなどを繋いでいたSEEDが、SALUの強烈な個性と才能を見抜き、BACHLOGICとSALUを引き合わせます。
そして、SALUのセンスや雰囲気に大きな可能性を感じたBACHLOGICがプロデュースする形でデビューした大型新人、それがSALUなのです。
多くの活躍を経て、数年後にMr.Childrenが所属することでも知られる超メジャーレーベルであるトイズファクトリーに移籍した彼。
まるで、プロ野球の高卒ルーキーが開幕一軍、数年後には首位打者や打点王のタイトルを獲得しメジャーリーグに移籍したかのような強烈な活躍をしてきたSALUは、間違いなく現役ベストナイン・ラッパーの一人ではないでしょうか。
個性際立つSALUは、言葉で説明するよりは聞く方が話が早い類のラッパーです。
そんなSALUのおすすめの曲7選、早速行ってみましょう。
SALU おすすめの曲7選
I GOTTA GO
誰しもが人生で感じるような「楽しいことだけではない」「月曜日の朝 このベットから出たくないんだ まだ」「ハニー いきたくないよ 仕事なんか」「今は行かなきゃ I GOTTA GO」「あの街で勝負さ」という共感オンパレードのこのラップ。
若く、まだ青さの残る等身大の男子が精一杯手足を伸ばして進んでいくような、少し甘ったれた前進感が最高なこの曲。
彼がまだ20代前半だった2012年リリース、その時の自分世代の「毎日」を的確にラップに刻むSALUのポピュラーセンスが光りまくっていますね。
WALK THIS WAY
2017年にリリースされた「INDIGO」というアルバムに収められたこの曲は、これまで万人が共感するような前進感のあるラップの多かったSALUが奏でた切ない後悔のラブソングラップ。
大きな別れを経験したのか、本当のところはわかりませんが、SALUが自分の心の内側からラップを書き出した衝撃を持った一曲です。
30歳を目前にしたSALUが大人の男性に成長する、ある意味では「脱皮」のような意味も持ったこの曲で、SALUのラッパーとしての引き出しが増えたことは間違いないでしょう。
辛い別れを経験した方にこそ、ぜひ聴いてほしいセンチメンタルチューンです。
GOOD VIBES ONLY feat. JP THE WAVY, EXILE SHOKICHI
爽やか、切ない、軽やか、そしてポピュラリティ。
ラッパーというよりは、アーティストとして大きく成長していた2018年のSALUが、その路線を極めたといってもいいのがこの曲ではないでしょうか。
もっとハードで強気、不敵なラップをして欲しいと感じる方もいたかもしれませんが、ラップというものをここまでメジャー感あふれるひとつの楽曲として完成させたSALUのアーティストとしての才能に、底知れない深さと大きさがあること、多くの人間の心を掴んでしまったことは事実。
「万人が共感する前進感のあるラップ」、ここはひとつ、素直にSALUというラッパーのアーティスト力を認めて、この曲に浸ってみてはいかがでしょうか。
RAP GAME
2019年3月リリースの「RAP GAME」は、『秋に聞きたい日本語ラップ10選』で紹介したSALUの「STAND HARD」のマインドを大人のSALUの視点から書き上げたかのようなハード目の曲に仕上がっています。
爽やか、切ない、軽やか。どれもSALUを彩る誉め言葉ですが、そういったイメージを一度リセットして、ラッパーとしての存在感をシーンに突き付けた印象のあるこの曲。
この曲で、改めてSALUのラップの切れ味や、トラックメイクのセンスに気が付いた方も多いのではないでしょうか。個人的には「やっぱSALUやるな」と思った記憶が残っています。
軽快なものも堅い韻もラップできる、HIP HOPトラックも音楽的な楽曲も書ける、どれもしっかりSALU流に仕上がる、これは相当ヤバいですよ。
LIFE STYLE feat. 漢 a.k.a. GAMI, D.O (Prod. by Chaki Zulu)
ポピュラリティーの高いSALUのラップが、HIP HOPとして高い領域にあることを証明するかのようなコラボレーションを実現させ、漢やD.Oにまったく引けをとらない存在感を発揮した「LIFE STYLE」も外せない一曲です。
一見、対極にあるかのような漢とのルックスやラップの相性も抜群で「さすがにSALU」としみじみ感じます。
MVでは、ラップやラッパーとしての心境を上手く表現し、大物ラッパーに出会った驚き、ラストのD.Oとのコミカルな掛け合いなど、高い演技力やエンターテイメント性を見せつけたSALU、ナイスコラボです。
これ以外にもSALUのラッパーとのコラボは、どれも彼の実力を痛感させるものが多く、改めてチェックしてみてください。
In My Life
続いては、少し時間軸を戻して2013年リリースの「In My Life」。
若く、青く、尖っていたからこそ感じることができたSALUの人生観がぎっしりと詰まったのがこの曲。
何度も書いていますが「万人が共感できるラップ」を歌うラッパーとしての地位を完全に確立したといってもいいこの曲は、SALUが年齢を重ねるごとにラップに色や深みが出てくる常にSALUとともに生きるナンバーです。
いくつになってもSALUにはこの曲をライブで見せてほしい、そして、その時々の人それぞれのIn My Lifeを感じさせてほしい、そう思わせてくれる何度でも聴きたい名曲です。
GIFTED
爽やかで端正なルックス、万人に共感されるラップやリリック、軽やかでポップなトラック。そんなSALUには、実は大きな別れがありました。
この曲で明かされた「幼少期の母親の自死」は、少年だったSALUにとって癒えない深い傷となって、ずっと彼の心の中で、そのままになっていたのではないでしょうか。
そんな傷を、自らの言葉で公にすることで、母親が自死した年齢を迎えそこを乗り越える糧にしたようなこの曲は、万人が共感するラップを真骨頂とするSALUにとって本当に特別な曲ではないでしょうか。
このような経験をしてなお、「STAND HARD」や「RAP GAME」のようなハードなラップを繰り出すSALUのメンタリティには脱帽です。
「人には必ず、外からは見えない何かがある。みんなそれを抱えて生きている」、そんなSALUのメッセージも裏に込められたように感じるこの曲、涙なしでは聴けません。
まとめ
SALUおすすめの曲7選をご紹介しましたが、いかがですか?
ルックスだけでSALUを横目に見ていた方も、ファンだった方も、改めてSALUのラッパーとしての、アーティストとしての大きさを感じたのではないでしょうか。
フリースタイルバトルのレジェンドである晋平太氏も自身のYouTubeでは、具体的な曲名やアルバム名をいくつも出して熱く語るほどのアーティスト力を持ったSALU。
この機会に、深く聞きこんでみてはいかがでしょうか。