HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!
まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを簡単におさらいしましょう。
既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。
-サンプリング wikipediaより引用
要するに"過去の名曲のエッセンスを継承し、新しい音楽として蘇らせる"魔法のような手法ですね。
「パクリじゃないの?」なんて野暮なことは言わせません。そこには元の作品への強烈な"リスペクト"と、それをどう調理するかという"センス"が問われる、HIPHOPの根幹をなすアートフォームなんです。
この記事では、さまざまなアーティストの「元ネタ(サンプリングソース)」を探っていきます。
「この渋いベース、実は70年代のソウルだったのか!」とか「このフレーズ、あの大ネタと同じじゃん!」といった発見は、音楽を聴く楽しさを何倍にもしてくれます。
ってことで、第54回目は後編ラインの第13弾、ZEEBRAの第3弾です!
第19回の本編、第48回の後編で掘ってきたZEEBRA編も、これが最終章。新曲3曲に加えて、前編で扱った2曲の「もう一つの元ネタ」を明かす再訪セクションもあります。
本編は第19回 ZEEBRA 編、後編は第48回 ZEEBRA 後編です。
ZEEBRAの曲を元ネタと比較してみましょう
ZEEBRA / Save The World
ZEEBRA - Save The World
菊池ひみこ - What's Baby Singin'
元ネタは、菊池ひみこの「What's Baby Singin'」。
和ジャズ/フュージョンのキーボーディストの1曲。ZEEBRAのネタ帳には、日本の音源も自然に入っているのが面白いところです。
菊池ひみこ - What's Baby Singin'
ZEEBRA / 平和'98
ZEEBRA - 平和'98
Ahmad Jamal - Eclipse
元ネタは、Ahmad Jamalの「Eclipse」。
ミニマルなピアノ・トリオの美学。「平和」というタイトルに、この静けさの選び方は深いです。
Ahmad Jamal - Eclipse
ZEEBRA / The Untouchable
※1996年のDJ Premierプロデュース曲「Untouchable」とは別の曲です。
ZEEBRA - THE UNTOUCHABLE
Billie Holiday - Yesterdays
元ネタは、Billie Holidayの「Yesterdays」。
ジャズ・スタンダード×日本語ラップ。「アンタッチャブル(触れられない)」というタイトルに、レディ・デイの影のある歌声が重なります。
Billie Holiday - Yesterdays
ZEEBRA / Parteechecka(再訪:第2の元ネタ)
第19回ではBob James「Tappan Zee」を紹介しましたが、この曲にはもう一つ元ネタがあります。
ZEEBRA - Parteechecka -Bright Right Mix-
Marcus Miller - Brazilian Rhyme
第2の元ネタは、Marcus Millerの「Brazilian Rhyme」。
しかもこの曲、Earth, Wind & Fireの「Brazilian Rhyme (Beijo)」のカバー。元ネタが元ネタを持つ「孫ネタ」構造でした。
Marcus Miller - Brazilian Rhyme
ZEEBRA / I'm Still No.1 (Journey Mix)(再訪:別ミックスの元ネタ)
第19回ではオリジナル版(The Mohawks)を紹介しました。このJourney Mix版では元ネタが変わります。
ZEEBRA - I'M STILL NO.1 (Journey Mix)
Geoffrey Sumner - Train Sequence
元ネタは、Geoffrey Sumnerの「Train Sequence」。
「This is a journey into sound」の一節で知られる、ステレオ時代のデモ音源。ミックス名の「Journey」も、ここから来ているのかもしれません。
Geoffrey Sumner - Train Sequence
最後に
ZEEBRA第3弾の元ネタは、菊池ひみこ、Ahmad Jamal、Billie Holiday、Marcus Miller、Geoffrey Sumnerという布陣でした。
和ジャズからジャズ・スタンダード、そして「孫ネタ」と「別ミックスで変わる元ネタ」という、サンプリングの奥行きを見せてくれる最終章になりました。
本編・後編・第3弾で、ZEEBRAのネタ帳は登録分を掘り切りです。
ではまた次の元ネタを探せ!でお会いしましょう!