日本語ラップの元ネタを探せ! 第2回 キングギドラ!!!

HIPHOPはサンプリングのカルチャーだとよく言われますよね!

まずは最近聴き始めた人のためにサンプリングとは何かを説明しましょう。

既存(過去)の音源から音(ベース音等)や歌詞の一部分を抜粋し、同じパートをループさせたり継ぎ接ぎするなど曲の構成を再構築することで名目上別の曲を作り出す手法のこと。あくまで曲の一部分を引用するだけなので、基本的な歌詞やメロディーラインをそのままなぞるカバーやアレンジとは別物である。

-サンプリング wikipediaより引用

とまとめられています。わかりやすいですね!

要するに"音や歌詞の一部分を使うことによって、既存の曲から新しい音楽を作る"ってことですね。

よくパクリだ!と騒がれたりするので境界線が非常に難しい問題でもあるのですが、HIPHOPのカルチャーですから元の作品に対しての"リスペクト"を込めた上でのものだと思います。

まぁ、カッコ悪かったらわざわざそれを取り入れようなんて思わないですよね笑

今ではHIPHOP以外でも取り入れられるようになったサンプリングですが、その起源はもともとは"DJ Kool Herc"による二枚のレコードを使ったブレイクタイムの無限ループによってお客さんを盛り上げたのが最初と言われています。

"お客さんのために"という精神から始まっているようですね!

この記事ではいろんなアーティストの曲の元ネタとなったサンプリング元の曲を探っていきます。

それを知ることによってこの曲のこういうところを編集してトラックを作っているのか!というところで勉強になったりすると思います。

アーティストや曲について深く知ってよりHIPHOPカルチャーを理解していきましょう!

ってことで、第2回めは"キングギドラ"です!

キングギドラの曲を比較してみましょう

コードナンバー0117

HIPHOP界を揺るがせた名盤、"空からの力"より"コードナンバー0117"です。

ZEEBRAもK DUB SHINEも声が若い!

ちなみに歌詞を見ればわかるのですが、コードナンバー0117の0117とは時報のダイヤルナンバー"117"のことと、阪神大震災の日、あとは「“117”って言いたかったんだよ。キング・ギドラはイニシャルだと“KG”じゃん?K=11番目で、G=7番目のアルファベットだから」と本人たちが語っています。

意味深な数字なのではないかという考えからだそうです。

コードナンバー0117

で、元ネタがこちら。

"Ike's Mood / Isaac Hayes"こちら70年代ソウルですね!

シンガーとしてはあまり評価の高いアーティストというわけではないのですが、その時代に革新的なインパクトを与えた存在としてのちのソウルやラップカルチャーに影響を与えた人物として有名なアーティストの作品です。

BPMを変えてますが、分かりやすいサンプリングだと思います!

Ike's Mood / Isaac Hayes

ジェネレーションネクスト

2002年に発売されたシングル盤ですね!

ちなみに"911 (Remix)"と同時発売されました。

この曲は東映系配給映画「凶気の桜」主題歌としても話題になりましたね。

ひとまず聴いてみてください。

ジェネレーションネクスト

で、元ネタはこちら。

ソウル・ディスコの中でも「こみ上げ系」と呼ばれるジャンルの中でひときわ輝きを放った存在である夫婦デュオの"Marllin McCoo"と"Billy Davis Jr."による作品。

こみ上げ系って何やねんと思うのだが、メロウな雰囲気の曲を聴いていると確かに何かがこみ上げてくる気がする・・・・・・。笑

これを元ネタに使うなんてそりゃこみ上げるでしょうよ笑

これも原曲そのままちょっといじった感じの分かりやすいサンプリングですね!

Nothing Can Stop Mee / Marllin McCoo & Billy Davis Jr.

真実の爆弾

相当ヤバイ内容をこの曲で歌っています。

例えば"国民がさらわれても何もしねぇ そんな国家俺らは断固否定"とか。

多分察しのいい人はテーマが何かわかったはず。

この堂々とした主張をラップにのせていくところがキングギドラがいまだにヘッズから支持される理由だと思います。

まずは聴いてみてください。

真実の爆弾

そして元ネタ。

ソウル界の帝王と名高い"The Temptations"の一曲です。

実はメンバーを入れ替えながらいまだに現役のグループですが、創設時の唯一のオリジナルメンバー、オーティス・ウィリアムスは活動60年近くでいまだにやってるというから大変驚きです。

まさに帝王。

ちなみに2018年、サム・スミス、ウィークエンド、ブルーノ・マーズ、エド・シーラン、マックスウェル、ジョン・メイヤー、マイケル・ジャクソンらのヒット曲をカヴァーしたものにオリジナル曲を加えたアルバム"All The Time"も発表しているので、興味があれば聴いてみてください。

かなりソウルフルです。

そんな彼らの76年発表アルバムからサンプリング。

Mary Ann / The Temptations

空からの力 (Part-2)

キングギドラのデビュー作です。

アルバムタイトルにもなった"空からの力 (Part-2)"なぜこの曲は"part-2"とタイトルに入っているかなのですが、最初に作ったデモ・ヴァージョンとはリリックもトラックも違う物を使用して作られたからだそうです。

のちに20周年を記念して作られた"空からの力 デラックスver"にデモ版が収録されました。

空からの力 (Part-2)

元ネタはこちら。

"ジャズ界のピカソ"と名高いジャズ・トランペット奏者"Miles Davis"の曲よりメロディーラインのサンプリングですね。

この曲が収録されているアルバムはとても面白くて、マイルス・デイヴィス、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスの「黄金のクインテット」と呼ばれる四人が出したファーストアルバムなのです。

ある程度の年齢の方なら聴いたことある名前の人が一人二人いるんではないでしょうか。

Mood / Miles Davis

空からの力 (Mind Funk Remix)

1996年に発表された、トラックメイカーのINOVADERによる空からの力Remixです。

空からの力 (Mind Funk Remix)

80年代から90年代を中心に活動していたR&Bシンガーの1986年"Rapture"よりアダルトな雰囲気で大人の女性の魅力を存分に感じさせる名曲からサンプリング。

これまた聞けばわかるなサンプリングですね。

ちなみにこの曲は"DJ HASEBE"が"DJ HASEBE feat.Sugar Soul&ZEEBRA - いとしさの中で"でもサンプリングしています。

Anita Bakerの曲は国外のHIPHOPでもよくサンプリングされてるので、探してみてください!

Mystery / Anita Baker

って感じで、今回はキングギドラからサンプリングソースを探してみました!

また次回をお楽しみに!

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